島根県の人口は、100年あまり前の最初の国勢調査のときよりも少なくなりました。大正9年の第1回調査で714,712人だった島根県は、令和7年の調査で629,460人になっています。日本全体では人口が当時の2倍以上に増えたのに、島根はそれを下回る水準まで減ったのです。
その一方で、日本海に浮かぶ隠岐諸島の小さな町、海士町だけは人口が増えました。県内19の市町村の中で、増えたのはここだけです。そして世帯の数で見ると、出雲市も増えています。島根で相手を探すなら、人がどこで減り、どこにとどまり、どこへ動いているのかを知っておくと、会い方の見当がつけやすくなります。
この記事では、島根県政策企画局統計調査課が2026年4月15日に公表した令和7年国勢調査の県速報、自動車検査登録情報協会の集計、JRの所要時間などをもとに、島根で相手を探すときに知っておきたいことを整理しました。
最初の国勢調査より少なくなった県
県の速報によると、令和7年10月1日の島根県の人口は629,460人でした。5年前の671,126人から41,666人、6.2%減っています。減少は平成2年から8回続いていて、5年ごとの減り方は今回がいちばん大きくなりました。
島根県の人口が最も多かったのは、昭和30年の929,066人です。そこから70年で、およそ30万人減ったことになります。大正9年の714,712人も、今回の629,460人より8万5千人ほど多い数字でした。
人口の動きを振り返ると、戦争が終わった直後の昭和22年に894,267人へと一気に増え、昭和30年に最も多くなりました。その後、昭和35年から45年にかけて大きく減り、昭和50年代にいったん持ち直して、昭和60年には794,629人まで戻りました。平成2年からは8回続けて減っていて、5年ごとの減り方は、1.7%、1.2%、1.3%、2.5%、3.3%、3.2%、3.3%、そして今回の6.2%と、だんだん大きくなっています。
世帯の数も、267,035世帯で、5年前より2,857世帯、1.1%減りました。島根県の世帯数が減ったのは、昭和15年の調査以来、85年ぶりです。人が減っても世帯は増えてきた県で、ついに世帯まで減り始めました。島根の世帯数は、平成以降も5年ごとに増え続け、前回の令和2年の269,892世帯が最も多い数でした。今回が、その山を越えた最初の調査です。
男女の数は、男性304,148人、女性325,312人で、女性の方が2万1千人あまり多くなっています。5年間の減り方は男女とも6.2%で、どちらかが特に減ったということはありません。
人口が増えたのは、隠岐の海士町だけ
県内19の市町村のうち、5年前より人口が増えたのは、隠岐諸島の中ノ島にある海士町だけでした。人口は2,347人で、80人、3.5%の増加です。世帯は1,271世帯で、203世帯、19.0%も増えました。増えた割合では、市町村の中で人口も世帯もいちばんです。
海士町は、本土から船で渡る離島の町です。隠岐地域全体では5年で7.4%人口が減っている中で、この町だけが反対の動きを見せています。島の外から移り住む人を受け入れてきた町として知られていて、世帯の増え方から見ても、一人や少人数で島に移ってきた人が多いと考えられます。女性は1,221人で、5年で5.8%増えていました。
一方で、同じ隠岐の西ノ島町は2,401人で13.9%減り、県内で最も大きな減り方でした。人口の減り方が大きい市町村は、西ノ島町に続いて美郷町(13.4%減)、吉賀町(12.8%減)、奥出雲町(12.6%減)、津和野町(11.3%減)で、山あいの町が並んでいます。
島根の町村部に住む相手は、近所の人とのつながりが濃く、地元の中で会うのを避けたがる人が多いはずです。会うなら松江や出雲など、少し離れた市の中心まで出る形が考えやすくなります。
出雲市は、人が減っても世帯が増えた
人口が多い市町村は、松江市が193,586人、出雲市が169,539人で、この二つの市だけで県の人口の半分あまりを占めます。三番目の浜田市は48,876人、四番目の益田市は41,489人で、二つの市との差は大きく開いています。
| 市 | 令和7年の人口 | 人口の増減 | 世帯の増減 |
|---|---|---|---|
| 松江市 | 193,586人 | 4.9%減 | 0.4%減(85,220世帯) |
| 出雲市 | 169,539人 | 1.9%減 | 4.5%増(67,334世帯) |
| 浜田市 | 48,876人 | 10.5%減 | 7.4%減 |
| 益田市 | 41,489人 | 7.8%減 | 2.4%減 |
| 安来市 | 33,567人 | 9.4%減 | 1.8%減 |
| 雲南市 | 32,730人 | 9.1%減 | 2.5%減 |
目を引くのは出雲市です。人口の減り方は1.9%と県内の市でいちばん小さく、世帯は5年で2,926世帯、4.5%増えました。世帯が増えた市は、県内で出雲市だけです。出雲市は県内で2番目に人の多い市で、周りの町から人が移ってきたり、家族から独立して暮らす人が増えたりしていると考えられます。
県庁所在地の松江市は、人口は4.9%減りましたが、世帯は0.4%減とほとんど変わっていません。松江市の1世帯あたりの人数は約2.27人、出雲市は約2.52人です。松江は一人や二人で暮らす人の多い街、出雲は家族で暮らす人の多い街、という違いが見えます。
男女の数では、松江市が男性93,685人・女性99,901人、出雲市が男性82,000人・女性87,539人で、どちらも女性の方が多い街です。
出会いの場で言えば、松江では一人で暮らしていて時間の都合をつけやすい相手に、出雲では家族と住みながら車で動く相手に出会う場面が多い、ということです。
松江の夜は、駅の北の伊勢宮
松江市の夜の中心は、JR松江駅の北側に広がる伊勢宮です。駅から歩いて5分ほどの場所に、居酒屋やスナック、バーが集まり、山陰でも有数の繁華街として知られています。
駅から近いので、汽車やバスで来る相手とも待ち合わせやすい場所です。ただ、県庁所在地とはいえ松江は人口20万人に届かない街で、夜の伊勢宮を歩いていると知り合いに会うこともあり得ます。人目が気になる相手なら、店の中で直接落ち合う形にしておくと安心です。
松江の街は、宍道湖と中海のあいだにあり、大橋川が街の中を流れています。川をはさんで北側に松江城や県庁、南側にJR松江駅があり、伊勢宮は大橋川の南岸、駅との間に広がっています。昼に会うなら、駅の周りや湖のほとりなど、明るく人の多い場所を選ぶと、初めて会う相手とも落ち着いて話せます。
島根で相手を探した人から聞かれる声(よくある声の再構成)
※以下は、島根県で相手を探した人から聞かれがちな声を、要点が伝わるよう編集部で組み立て直したものです。特定の個人の投稿ではありません。
島根県・松江市/30代・会社員★★★★★
相手は出雲の人。地元だと知り合いに会いそうと言うので、松江まで汽車で来てもらった。伊勢宮の店で直接落ち合った。
島根県・安来市/40代・自営業★★★★★
安来からは松江より米子の方が近いこともある。相手と相談して、米子で会った。県が違うので知り合いに会う心配も少なかった。
島根県・浜田市/30代・看護師★★★★★
相手は出雲の人。浜田からだと遠いので、会うのは休みの日の昼にした。帰りの道が暗くなる前に別れるようにしている。
島根県・隠岐の島町/30代・公務員★★★★★
島の中では誰かに必ず見られる。用事で本土に渡る日に合わせて、松江で会う約束をした。船の時間を先に伝えておいた。
島根県・出雲市/20代・事務職★★★★★
相手は岡山の人。特急で2時間半くらいかかるので、休みの日に一日かけて会う形にした。
島根県・益田市/40代・会社員★★★★★
相手は浜田の人。松江よりも広島の方がお互い出かけ慣れているので、高速バスで広島まで出て会った。
島根県・出雲市/30代・販売職★★★★★
相手は松江の人。車を使わずに行けるので、一畑電車で松江まで出た。乗り換えがないので、帰りも楽だった。
島根県・松江市/30代・公務員★★★★★
花火の日は街中に知り合いがいる。相手とも話して、水郷祭の週は会わずに、次の週末に会うことにした。
島根県・雲南市/40代・介護職★★★★★
相手は出雲の人。お互い車なので、出雲の大きな店の駐車場で待ち合わせた。仕事が終わってからでも行ける距離だった。
出雲・石見・隠岐:三つの地域で違う減り方
島根県は、東の出雲地域、西の石見地域、日本海の隠岐地域の三つに分けて語られることが多い県です。県の速報も、この三つの地域ごとに人口を集計しています。
| 出雲地域 | 443,900人(5年で4.7%減)。松江市・出雲市・安来市・雲南市など。県の人口の7割がここに住む。 |
|---|---|
| 石見地域 | 167,860人(5年で9.8%減)。浜田市・益田市・大田市・江津市など。前回の6.4%減から減り方が大きくなった。 |
| 隠岐地域 | 17,700人(5年で7.4%減)。隠岐の島町・海士町・西ノ島町・知夫村。 |
出雲地域は、松江と出雲の二つの市を中心に、県の人の多くが集まる地域です。石見地域は、日本海沿いに長く延びる地域で、浜田や益田から松江までは、車でもかなりの時間がかかります。石見の相手と会うなら、地元の浜田や益田で会うか、出雲あたりまで出てきてもらうかを、早めに相談しておく必要があります。
隠岐の島々は、本土との行き来に船や飛行機を使います。隠岐の相手とは、本土に渡ってくる日に合わせて会う形が現実的です。
隠岐でいちばん人の多い隠岐の島町は12,377人で、5年で7.9%減りました。知夫村は575人で、県内で最も人口の少ない村です。西ノ島町では男性が15.5%減り、女性の12.2%減より大きく減っています。同じ隠岐の中でも、海士町のように人が増える町と、大きく減る町が隣り合っています。
石見の相手は、広島の方を向いている
石見地域の中心の浜田市は、人口48,876人で、5年で10.5%減りました。男性は12.0%減、女性は8.9%減で、男性の方が大きく減っています。世帯も7.4%減で、県内の市の中では世帯の減り方がいちばん大きい市です。
浜田から県の中心の松江までは、日本海沿いに長い距離があります。その一方で、浜田と広島のあいだには高速バスのいさりび号が走っていて、浜田市の観光協会の案内では、広島駅から浜田まではおよそ2時間です。石見の人にとって、広島は買い物や遊びに出る街として、松江と同じくらい、あるいはそれ以上に身近な街です。
益田市は41,489人で7.8%減、大田市は29,815人で9.2%減、江津市は20,420人で11.1%減でした。石見の相手と知り合ったら、松江や出雲まで出てきてもらうより、広島や地元で会う方が自然なこともあります。相手がふだんどちらの方向へ出かけているかを聞いておくと、会う場所が決めやすくなります。広島の相手と知り合った場合も、石見の街なら高速バス一本で行き来できます。
宍道湖の北を走る一畑電車
松江と出雲のあいだには、JRのほかに一畑電車が走っています。宍道湖の北岸を通る路線で、出雲市の電鉄出雲市駅から松江しんじ湖温泉駅までは、乗り換えなしで約1時間です。出雲大社前駅へは、途中の川跡駅で乗り換えて、松江しんじ湖温泉から約1時間8分で着きます。
JRの松江駅と、一畑電車の松江しんじ湖温泉駅は、松江の街の中で離れた場所にあります。伊勢宮に近いのはJR松江駅、一畑電車の駅は宍道湖の北側の温泉街のそばです。一畑電車で来る相手と夜に会うなら、温泉街の周りで会うか、街の中を移動して駅の北側の伊勢宮まで行くかを、先に決めておきましょう。
出雲市の中で会うなら、JRの出雲市駅と一畑電車の電鉄出雲市駅が隣り合っていて、待ち合わせの目印になります。安来市は33,567人、雲南市は32,730人で、どちらも松江や出雲へ車で出やすい場所です。雲南市のさらに南の奥出雲町は10,351人で、5年で12.6%減りました。山あいの町に住む相手ほど、会う場所までの移動が長くなるので、相手の負担を考えて中間の街を提案すると喜ばれます。
東の隣は鳥取の米子、南の向こうは岡山
島根県の東の端の安来市は、鳥取県の米子市と接しています。JRの米子駅から松江駅までは約30分です。米子は山陰で人の集まる商業の街の一つで、松江や安来に住む人が買い物や遊びに出ることも多い街です。島根の相手と会う場所として、県境を越えた米子が候補に入ることもあります。
山陽側へは、特急やくもで岡山まで行けます。松江から岡山までの所要時間はおよそ2時間半から2時間50分です。岡山から新幹線に乗り換えれば、大阪や広島にも出られます。岡山の事情は岡山の記事に、広島の事情は広島の記事にまとめています。
出雲市には出雲縁結び空港があり、県の案内では、羽田や伊丹、福岡、名古屋などを結ぶ路線があります。東京や大阪から出張で来る人の多くは、この空港か、鳥取県の米子空港を使います。出張で来ている相手なら、どちらの空港から来たかで、会いやすい街が変わります。
ここまでに出てきた移動の目安を、表にまとめておきます。
| 区間 | 手段 | 目安 |
|---|---|---|
| 米子駅〜松江駅 | JR | 約30分 |
| 電鉄出雲市〜松江しんじ湖温泉 | 一畑電車 | 約1時間 |
| 松江しんじ湖温泉〜出雲大社前 | 一畑電車(川跡で乗り換え) | 約1時間8分 |
| 松江駅〜岡山駅 | 特急やくも | 約2時間半〜2時間50分 |
| 広島駅〜浜田 | 高速バス いさりび号 | 約2時間 |
車で動く県と、出雲大社の人出
自動車検査登録情報協会の集計では、令和7年3月末の島根県の自家用乗用車は406,786台で、1世帯あたり1.384台でした。全国で16位です。松江の中心から少し離れれば、移動の多くは車になります。車で来る相手とは、駐車場のある場所を選び、お酒を飲むなら車を置いてきてもらうか、運転代行を使う前提にしておきましょう。
出雲市には出雲大社があります。60年に一度の大遷宮のあった2013年には、1年で804万人が参拝したと報じられました。正月の三が日や、旧暦10月の神在月の時期は、出雲大社の周りに県外からの人が大勢集まり、道も混みます。地元の人どうしで落ち着いて会いたいなら、この時期の大社の周りは避けた方が無難です。
県の観光動態調査では、令和6年の出雲大社の観光入込客は延べ698万2千人でした。地域別に見ても、出雲地域が延べ1,171万8千人で最も多く、松江地域の延べ873万5千人が続きます。石見の浜田地域は延べ184万1千人で、観光の人の流れも県の東側に集まっています。県全体の観光入込客は延べ2,986万人で、そのうち77%が県外から来た人です。松江市では、美保関に延べ118万人、玉造温泉に延べ50万人、松江城山公園に延べ45万人が訪れています。県内の宿泊客は延べ361万4千人泊で、外国人の宿泊客は延べ8万7,160人泊と、前の年より46.9%増えました。国や地域別では台湾からの客が最も多くなっています。
夏の松江では、宍道湖で開かれる松江水郷祭に延べ68万人が集まりました。花火の夜は松江の中心が人であふれ、帰りの道や汽車も混みます。この日に松江で会う約束をするなら、待ち合わせの場所と帰り方を、いつも以上に細かく決めておく必要があります。反対に、地元の知り合いに見られたくない相手なら、こうした催しの日は避けた方が落ち着いて会えます。
旅行で島根に来ている人と知り合うこともある、ということです。旅行者は滞在の日数が決まっているので、話は早く進んでも、関係は長く続かないことが多いものです。自分が地元の人か、旅行で来ているのかを最初に伝えておくと、相手も判断しやすくなります。
島根で会う前に確かめておきたいこと
- 相手は出雲・石見・隠岐のどの地域に住んでいるか(市町村の名前まで)
- ふだんの足は車か、汽車やバスか
- 松江で会うか、出雲で会うか、県境を越えて米子で会うか
- 夜に伊勢宮で会うなら、帰りの手段(代行・タクシー・最終の汽車)
- 石見や隠岐の相手なら、会える日を早めに決めておくこと
- 正月や神在月など、人の多い時期を避けるかどうか
- 石見の相手なら、松江や出雲より広島の方が出やすくないか
- 出張や旅行で来ている相手なら、滞在の日数と、使った空港や駅
- 初めて会う日は、駅の近くの明るい店など、分かりやすい場所にしておくこと
島根は、県全体で人が減り続ける中で、出雲市の世帯と隠岐の海士町の人口だけが増えた県です。相手の住まいと移動の手段を最初に聞いておけば、遠い県内でも無理のない約束が組めます。山陰のほかの県や中国地方の街は、地域別の出会いのまとめから探せます。
※本記事は18歳以上の成人を対象にしています。人口と世帯数は島根県政策企画局統計調査課「令和7年国勢調査結果(県速報)」(2026年4月15日公表)、自家用乗用車の台数は自動車検査登録情報協会の集計(令和7年3月末)、所要時間はJRの時刻表、出雲大社の参拝者数は報道にもとづき、2026年10月2日に確認したものです。


