徳島の人は、JRの列車のことを「汽車」と呼びます。徳島県には架線の張られた線路が一本もなく、走っているのはディーゼルで動く車両だけだからです。47都道府県で「電車」が走っていない県は、徳島だけです。
この一点だけでも、徳島での人の動き方がほかの県とは違うことが分かります。ふだんの足は車で、県の外へ出るときは高速バスで大阪や神戸へ、四国の中なら汽車で高松へ。相手を探すときも、どこに住み、何で動いている人なのかを先に知っておくと、会う場所や時間を決めやすくなります。
この記事では、総務省統計局が公表した令和7年国勢調査の確定値、令和2年国勢調査の昼夜間人口、自動車検査登録情報協会の集計、高速バスやJRの案内、阿波おどりや空港の利用者の発表などをもとに、徳島で相手を探すときに知っておきたいことを整理しました。
「電車」が走らない県で、人は何に乗っているか
徳島県内のJRは、高松へ向かう高徳線、吉野川に沿って西へ延びる徳島線、南の阿南や牟岐へ向かう牟岐線、鳴門へ向かう鳴門線などで、どれも電化されていません。徳島駅を出る列車は、すべてディーゼルカーです。私鉄の路線もありません。
そのぶん、暮らしの中心は車です。自動車検査登録情報協会の集計では、令和7年3月末の徳島県の自家用乗用車は453,077台で、1世帯あたり1.337台でした。全国では20位です。北陸や北関東の県ほどではありませんが、1世帯に1台を大きく超えていて、大人がそれぞれ自分の車を持っている家も珍しくありません。
出会いの場で言えば、徳島の相手の多くは、待ち合わせ場所まで車で来ます。駅前で待ち合わせるより、駐車場のある場所を選ぶほうが自然な土地です。相手に「車で来るか、汽車やバスか」を最初に聞いておくだけで、会う場所の候補がぐっと絞れます。
反対に、お酒を飲みながら話したいときは、車の扱いを先に決めておく必要があります。徳島市の中心で飲むなら、相手が市内に住んでいてタクシーで帰れるのか、運転代行を使うのかを確かめておきます。車で来る相手とは、飲まない時間帯に会うほうが話が早いこともあります。
人口が増えたのは、北島町だけ
2026年9月29日に公表された令和7年国勢調査の確定値によると、令和7年10月1日の徳島県の人口は674,790人でした。5年前の719,559人から44,769人、6.22%減っています。昭和22年以降で見ても、ここまで減ったのは初めてです。世帯数も304,726世帯で、5年で3,484世帯、1.13%減りました。ほかの多くの県では人口が減っても世帯は増えていますが、徳島では世帯の数まで減り始めています。
県の統計課がまとめた大正9年からの推移を見ると、今の数字の重さがよく分かります。徳島県の人口が最も多かったのは昭和25年の878,511人で、その後は増えたり減ったりしながら、昭和60年にも834,889人ありました。そこから減り続けて、令和7年の674,790人は、最初の国勢調査があった大正9年の670,212人とほぼ同じ水準です。100年あまり前の人口に戻ったということになります。
1世帯あたりの人数は、県全体で約2.21人、徳島市では約2.05人です。徳島市は人口240,957人に対して世帯が117,515世帯あり、一人や二人で暮らす人の割合が県の中でも高い街です。
男女の数にも差があります。県の人口674,790人のうち、男性は322,965人、女性は351,825人で、女性の方が約2万9千人多くなっています。徳島市でも男性114,665人に対して女性126,292人で、女性が1万1千人あまり多い計算です。年齢の高い層で女性が多いことが主な理由ですが、相手を探す画面に並ぶ顔ぶれにも、少なからず影響していると考えられます。
県内24市町村のうち、確定値で人口が増えたのは北島町だけでした(22,895人・150人増)。ほかの23市町村はすべて減っています。春の速報でも、増えたのは北島町だけでした。世帯が増えたのも6市町だけで、松茂町、北島町、藍住町、石井町、板野町、小松島市です。佐那河内村は5年前と同じ771世帯でした。小松島市は人口が2,253人減ったのに、世帯は41世帯増えています。
| 市町村 | 令和7年の人口 | 人口の増減 | 世帯の増減 |
|---|---|---|---|
| 徳島市 | 240,957人 | 11,316人減 | 2,141世帯減 |
| 阿南市 | 64,549人 | 4,869人減 | 123世帯減 |
| 鳴門市 | 51,000人 | 3,572人減 | 83世帯減 |
| 藍住町 | 34,962人 | 284人減 | 487世帯増 |
| 石井町 | 23,646人 | 1,187人減 | 251世帯増 |
| 北島町 | 22,905人 | 160人増 | 420世帯増 |
| 松茂町 | 14,093人 | 490人減 | 529世帯増(9.05%増) |
北島町、藍住町、松茂町、石井町は、どれも徳島市のすぐ北や西にある町です。人口がほとんど減っていないか、わずかに増え、世帯ははっきり増えています。徳島市の中心から車でおよそ30分以内の場所に、新しい住宅や大型の商業施設が増え、若い家族や一人暮らしの人が移ってきている地域です。
一方、県の西の山あいや南の海沿いは、減り方が大きくなっています。三好市は12.95%減、那賀町は14.86%減、牟岐町は16.06%減でした。県の人口の3分の1以上は徳島市に住み、その周りの町を合わせると、県の人口の多くが徳島市から車で30分ほどの範囲に集まっています。
相手を探すときに画面に並ぶのも、多くはこの範囲に住む人です。とくに北島町や藍住町、松茂町に住む相手は、ここ数年で越してきた人や、若い世代の人が多い地域の住人です。
昼は徳島市へ、夜は藍住町へ
令和2年国勢調査の集計では、徳島県の昼夜間人口比率は99.6でした。県の外へ働きに出る人と、県の外から働きに来る人が、ほぼ釣り合っている県です。ところが市町村ごとに見ると、昼と夜の差がはっきり出ます。
昼夜間人口比率がいちばん高いのは松茂町の108.6で、次がつるぎ町と徳島市の106.9でした。松茂町には徳島阿波おどり空港や工場があり、昼に人が集まります。徳島市には県庁や会社、学校が集まっていて、昼の人口は269,844人と、夜より多くなります。
逆に、いちばん低いのが藍住町の84.0です。昼のあいだは住民の多くが町の外、とくに徳島市へ働きに出ていて、夜になると帰ってくる町です。藍住町は、徳島市のベッドタウンとして人が住み続けている町だと言えます。
この数字は、会う時間を考えるときに役に立ちます。藍住町や北島町に住む相手は、平日の昼は徳島市で働いていて、仕事のあとに徳島市の中心で会うか、いったん家の近くに戻ってから会うかを選べます。仕事帰りにそのまま会うなら徳島市内、休日なら住まいの近くの大型店の周り、というように、平日と休日で場所を分けて考えると無理がありません。
県南の阿南、県西の美馬・三好
徳島市とその周りの町を離れると、相手との距離の考え方が変わります。
阿南市:県南の中心で、人口は64,549人と県内で2番目に多い市です。昼夜間人口比率の集計では、阿南市の昼の人口は71,424人で、夜の人口より多くなっていました。工場で働く人が周りの町から通ってくる、昼に人が集まる街です。阿南から徳島市の中心へは、JR牟岐線か車で北へ向かいます。相手が阿南に住んでいるなら、徳島市まで出てきてもらうか、間の小松島市のあたりで会う形が考えやすいでしょう。
美馬市・三好市:吉野川をさかのぼった県西の街で、美馬市は25,519人、三好市は20,549人です。どちらも5年で1割前後人口が減り、三好市は世帯も7.76%減りました。県西から徳島市までは、徳島線の汽車か、吉野川沿いの道を車で走ることになり、気軽に通える距離ではありません。県西の相手とは、会う日を早めに決め、どちらがどこまで動くかを先に話しておくことが大切です。
県の南西の山あいには、人口1,191人の上勝町や、4,171人の神山町のような小さな町もあります。こうした町に住む相手は、近所の人とのつながりが強く、町の中で会うより、徳島市まで出て会う方を選ぶことが多いはずです。
鳴門市:県の北東の端にあり、人口は51,000人です。大鳴門橋のたもとの街で、関西へ向かう高速バスの停留所もあります。徳島市の北隣にあたり、JRなら鳴門線から高徳線に入って徳島駅へ出られます。鳴門の相手は、徳島市と関西のどちらにも出やすい場所に住んでいると言えます。
県の人口の多くは徳島市の周りに集まっていますが、県南や県西に住む相手も画面には並びます。最初のやりとりで市町村まで聞いておくと、会えるかどうかの判断が早くなります。
徳島の夜は、両国橋の南の秋田町
徳島市の夜の中心は、秋田町です。JR徳島駅から南へ歩き、新町川に架かる両国橋を渡った先の一帯で、駅から歩いて10分ほどです。両国橋を渡ったあたりから南へ延びる通りには、飲食店やバー、スナック、カラオケの店が並び、県内でいちばん店の多い夜の街になっています。
目印になるのは、両国橋を渡った先の交差点に建つ商業施設のアクティ21です。この交差点から南へ延びる両国橋通りの沿道に、飲食店や夜の店が集まっています。初めて行く相手との待ち合わせなら、この交差点を目印にすると、お互いに迷わずに済みます。
新町川の北側、駅に近い側は、新町橋通りの商店街や駅前の商業施設がある昼の街です。川を渡って南へ行くほど夜の店が増えます。昼に会うなら駅の周りや新町川沿い、夜に会うなら両国橋の南、という分け方が分かりやすいでしょう。
秋田町は、県の中心の繁華街とはいえ、大都市の歓楽街ほど広くはありません。夜に歩いていると、職場の人や知り合いに会うこともあり得ます。人目が気になる相手と会うなら、駅前の待ち合わせは避け、店の中で落ち合う形にするか、車で少し離れた場所に行くほうが落ち着きます。
藍住町や北島町の相手と会うなら、秋田町まで出てきてもらうより、吉野川を越えた北側の大型店の周りで会うほうが、相手の負担は小さくなります。車で動く相手にとっては、駐車場の広い場所の方が待ち合わせしやすいからです。
徳島で相手を探した人から聞かれる声(よくある声の再構成)
※以下は、徳島で相手を探した人から聞かれがちな声を、要点が伝わるよう編集部で組み立て直したものです。特定の個人の投稿ではありません。
徳島県・板野町/30代・介護職★★★★★
相手も車だったので、藍住の大きな店の駐車場で待ち合わせた。駅で待つより分かりやすくて、お互い迷わなかった。
徳島県・徳島市/40代・会社員★★★★★
駅前は知り合いが多いので、両国橋を渡った秋田町の店で直接落ち合った。帰りはタクシーで、車は家に置いてきた。
徳島県・鳴門市/30代・販売職★★★★★
相手は神戸の人だった。高速バスで三宮まで出られるので、休みの日に向こうで会った。帰りのバスの時間を先に調べておいた。
徳島県・北島町/20代・事務職★★★★★
8月は街中が人だらけで、知り合いにも会いやすい。相手と相談して、お盆が終わってから会うことにした。
徳島県・阿南市/50代・自営業★★★★★
相手は徳島市の人。阿南からだと汽車より車が早いので、小松島を抜けて市内まで行った。渋滞の少ない時間を選んだ。
徳島県・徳島市/30代・看護師★★★★★
相手は高松の人で、特急に乗れば1時間くらい。夜勤のない週末に、どちらかの駅まで行く形で会っている。
大阪まで高速バスで約2時間半
徳島が本州とつながっているのは、鉄道ではなく道路です。1985年に鳴門と淡路島のあいだに大鳴門橋が架かり、1998年4月5日に明石海峡大橋が開通して、神戸から淡路島を通って鳴門まで、一本の高速道路でつながりました。この開通で、神戸と徳島のあいだの所要時間は、それまでの3時間以上から約1時間40分へと半分ほどになりました。
明石海峡大橋は全長3,911m、大鳴門橋は全長1,629mのつり橋です。淡路島を縦に走る区間も含めて、徳島から神戸までは海の上と島の上を走る道で、晴れた日のバスの窓からは瀬戸内海と大阪湾が見えます。
この道を走るのが、大阪や神戸と徳島を結ぶ高速バスです。徳島駅前から大阪の梅田やなんばまでは、およそ2時間半から3時間で、早朝から夕方まで多くの便が出ています。大阪と徳島を結ぶ路線だけでも、徳島バスと南海バス、阪急バス、阪神バスの4社が共同で運行していて、平日でも20往復を超える便があります。神戸の三宮へ向かう便や、関西空港へ向かう便も別にあります。途中、徳島空港に近い松茂町や鳴門市にもバス停があり、県の北側に住む人は、徳島駅まで行かずにバスに乗れます。
この近さのおかげで、徳島の相手と関西の相手は、意外に会いやすい関係にあります。徳島に住む人が休みの日に神戸や大阪へ出ることもあれば、関西の人が週末に徳島まで来ることもあります。相手が関西に住んでいるなら、どちらの街で会うか、帰りのバスの最終は何時かを先に決めておくと安心です。
四国の中では、高松とのつながりが強くなります。JRの特急うずしおは、高松駅と徳島駅のあいだを最速59分で結んでいます。日中は1時間に1本ほどの決まった時刻で走っていて、時刻表を見なくても乗る時間の見当がつきます。高松の相手とは、特急で1時間ほどの距離です。仕事帰りに会うには少し遠いものの、休日に昼から会って夕方に帰る、という予定なら十分に組めます。香川の事情は、香川・高松の記事に書いています。
8月の5日間に、111万人が来る街
徳島市の夏といえば、阿波おどりです。2025年は8月11日から15日までの5日間に開かれ、実行委員会の報告によると、人出は111万人でした。前の年の102万人より8.8%多く、2年続けて100万人を超えています。地元紙の報道では、天候や曜日の並びがよかったことに加え、人気アニメにちなんだ連の参加や、大阪・関西万博の年で関心が高まったことが、人出の増えた理由に挙げられていました。関西から近い徳島では、万博のような関西の大きな催しが、そのまま人の流れに表れます。
徳島市の人口が約24万人ですから、5日間でその4倍以上の人が街に集まる計算です。この時期は、県外から来た観光客や、お盆で帰省した人で中心部が埋まり、宿も取りにくくなります。
出会いで言えば、この時期は二つの面があります。一つは、県外から来ている人や帰省している人と知り合いやすいことです。もう一つは、街に人が多すぎて、知り合いに会う危険も高くなることです。地元の人どうしで落ち着いて会いたいなら、阿波おどりの時期を外したほうが無難です。反対に、帰省や旅行で来ている相手なら、滞在の日程を先に聞いておけば、短い期間でも約束が組みやすくなります。
空の玄関口は、年に107万人
徳島阿波おどり空港の2024年度の利用者は107万2,241人で、前の年度より2%増えました。国内線が104万5,595人、国際線が2万6,613人です。2018年度の118万人には届いていませんが、2年続けて100万人を超えました。2020年度には新型コロナウイルスの影響で25万人まで落ち込んでいたので、そこから4倍以上に戻ったことになります。香港や韓国との国際定期便ができ、国際線の利用者は約3倍になっています。
空港があるのは松茂町で、先に書いたとおり昼夜間人口比率が県内でいちばん高い町です。国内線は羽田との便が中心で、東京から出張で徳島に来る人の多くはこの空港を使います。出張で来ている相手なら、空港から徳島市の中心までバスで出てくるのか、レンタカーを借りているのかで、会える場所が変わります。
編集部のまとめ:徳島で相手を探すときに
徳島は、電車が走らず、車で動き、高速バスで関西とつながる県です。人口は減り続けていますが、徳島市の北と西の町には、新しく住む人が増えています。
相手が徳島市内に住んでいるなら、昼は駅や新町川の周り、夜は両国橋の南の秋田町。北島町や藍住町、松茂町に住む相手なら、車で行ける大型店の周り。関西の相手なら高速バス、高松の相手なら特急うずしお。最初のやりとりで、相手の住まいと移動の手段を聞いておけば、無理のない約束が組めます。
8月の阿波おどりの時期は、出会いの機会と人目の両方が増えます。地元どうしなら時期をずらし、県外の相手なら日程を先に確かめておきましょう。
四国のほかの県は、愛媛・松山の記事や香川の記事に、関西は和歌山の記事などに、全国の地域は地域別の出会いのまとめに一覧があります。初めて会う日の待ち合わせについては、初デートの場所と待ち合わせの記事も参考にしてください。
※本記事は18歳以上の成人を対象にしています。人口と世帯数は総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計」(2026年9月29日公表・確定値)、昼夜間人口比率は令和2年国勢調査の集計、自家用乗用車の台数は自動車検査登録情報協会の集計(令和7年3月末)、所要時間は高速バス各社とJR四国の案内、阿波おどりの人出は実行委員会の報告、空港の利用者数は報道にもとづき、2026年10月1日(人口は10月5日)に確認したものです。


