山口県は、県庁所在地がいちばん大きな街ではない県です。人口が最も多いのは、本州の西の端で関門海峡に面した下関市で、県庁のある山口市は二番目です。そのあとに宇部市、周南市、岩国市と、10万人を超える市が県の南の海沿いに並んでいます。
一つの大きな街に人が集まるのではなく、中くらいの街が東西に長く並んでいる。しかも、西の端の下関は海峡の向こうの北九州と、東の端の岩国は広島と、それぞれ県の外の大きな街と日常的に行き来しています。山口で相手を探すときは、相手がどの街に住み、どちらの方向を向いて暮らしているのかを知っておくと、会い方がずっと決めやすくなります。
この記事では、山口県統計分析課が2026年9月に公表した令和7年国勢調査の確定値、自動車検査登録情報協会の集計、県が発表した空港の利用状況、JRの所要時間などをもとに、山口で相手を探すときに知っておきたいことを整理しました。
県庁所在地より大きな街がある県
県が2026年9月に公表した確定値によると、令和7年10月1日の山口県の人口は1,262,770人でした。人口の多い市は次のとおりです。
| 市 | 令和7年の人口 | 5年間の増減 |
|---|---|---|
| 下関市 | 237,611人 | 17,440人減(6.8%減) |
| 山口市 | 190,271人 | 3,695人減(1.9%減) |
| 宇部市 | 152,689人 | 9,881人減(6.1%減) |
| 周南市 | 131,125人 | 6,415人減(4.7%減) |
| 岩国市 | 119,466人 | 9,659人減(7.5%減) |
| 防府市 | 109,596人 | 4,383人減(3.8%減) |
10万人を超える市が六つあり、どれも県の南側、瀬戸内海や関門海峡に近い場所にあります。県庁のある山口市は内陸の盆地にあり、ほかの五つの市は海沿いの工業の街や港の街です。
この並び方は、出会いの場にもそのまま表れます。山口県の相手といっても、下関の人と岩国の人では、ふだん行く街がまったく違います。下関から岩国までは、県の端から端までの距離です。同じ県に住んでいても、毎週気軽に会える距離とは限りません。会えるかどうかは、県の名前ではなく、市の名前で判断するのが確かです。最初のやりとりで、相手がどの市に住んでいるかを聞くことが、何よりも先に必要な県だと言えます。
19の市町すべてで人が減り、世帯が増えたのは三つの市だけ
山口県の人口は、5年前の1,342,059人から79,289人、5.9%減りました。県内の19の市町は、すべて人口が減っています。減った人数がいちばん多いのは下関市の17,440人で、宇部市、岩国市、周南市、萩市が続きます。減った割合では、上関町の19.3%、美祢市の13.4%、周防大島町の13.2%が大きくなっています。
世帯の数も、県全体では588,551世帯で、5年で10,273世帯、1.7%減りました。人が減っても世帯は増えている県が多い中で、山口県は世帯まで減り始めています。一般世帯の1世帯あたりの人数は2.07人です。
市と町で分けて見ると、差がはっきりします。県内の13市をあわせた人口は1,215,752人で、5年で5.7%減でした。これに対して6町をあわせた人口は47,018人で、10.7%減と、市のほぼ2倍の速さで減っています。世帯も、市では1.5%減なのに、町では6.4%減でした。人は町から市へ、市の中でも山口市のような中心の街へと寄っていく流れが続いています。
山口県の人口は、大正9年の最初の国勢調査から昭和30年まで増え、その後いったん減り、昭和50年からもう一度増えました。昭和60年を二度目の山として、それからは一貫して減り続けています。
その中で、世帯が増えたのは三つの市だけでした。山口市は90,091世帯で5年前より2,997世帯、3.4%増え、下松市は25,029世帯で311世帯、防府市は49,112世帯で254世帯増えました。山口市は人口の減り方も1.9%と小さく、下松市の1.6%に次いで県内で2番目に少ない減り方です。
県庁所在地の山口市には、県庁や大学、企業の支店が集まり、一人で暮らす人や若い世代が入ってきていると考えられます。人口では下関市が上でも、人の集まり方の勢いでは山口市の方が強いと言えます。山口市の男女の数は、男性91,181人、女性99,090人でした。山口市で相手を探すなら、一人暮らしで時間の都合をつけやすい人に出会える場面が多いはずです。
1世帯あたりの人数で見ると、山口市は約2.11人、下関市も約2.11人です。人口の規模は違っても、二つの市の中心部には、一人や二人で暮らす人が多く住んでいるということです。
男女の数では、県の人口のうち男性が601,422人、女性が661,348人で、女性の方が59,926人多くなっています。下関市でも男性110,803人に対して女性126,808人と、女性が1万6千人あまり多い街です。年齢の高い層で女性が多いことが主な理由ですが、相手を探す画面の顔ぶれにも、少なからず影響していると考えられます。
下関:海峡の向こうの小倉まで13分
下関市は、関門海峡をはさんで福岡県北九州市と向き合う街です。JRの下関駅から関門トンネルを抜けて小倉駅までは、在来線で約13分です。乗り換えはありません。
この近さのため、下関の人にとって小倉は、県の外というより「隣の大きな街」です。買い物や遊びに小倉や博多へ出る人も多く、相手が下関に住んでいるなら、下関で会うか小倉で会うか、どちらも選べます。北九州の事情は、北九州・小倉の記事にまとめています。
下関の夜の中心は、下関駅の東側に広がる豊前田です。駅から歩いて行ける距離に、居酒屋やスナック、バーが集まり、県内でいちばん店の多い夜の街として知られています。駅の近さもあって、帰りの電車の時間を気にしながら会うにも便利な場所です。
下関市の世帯は112,721世帯で、5年で3,096世帯減りました。人口の減った数も世帯の減った数も、県内でいちばん大きな市です。それでも、県で最も人の多い街であることに変わりはなく、夜の店の数も県内で抜きん出ています。
下関の相手と会うときは、どちらの街で会うかを先に決めておくと話が早く進みます。下関の人が地元で知り合いに会うのを避けたいなら、小倉で会う方が気楽なこともありますし、北九州の人と会うなら、反対に下関まで来てもらう形もあります。
山口市:県庁の街と、湯田温泉の夜
山口市の中心は、JR山口駅の周りと、山口線で一つ隣の湯田温泉駅の周りに広がる湯田温泉です。湯田温泉は800年あまりの歴史がある温泉街で、旅館やホテルのほか、飲食店やバーも集まっていて、山口市の夜を担う場所になっています。
新幹線の駅は、市の南にある新山口駅です。山口市の中心部とは離れていて、JR山口線に乗り換えて湯田温泉駅や山口駅へ向かいます。県外から新幹線で来る相手と会うなら、新山口駅の周りで会うか、山口線で湯田温泉まで出てきてもらうかを選ぶことになります。
新山口駅からは、新幹線で博多まで最速34分です。山口市の人にとっても、福岡は遠い街ではありません。山口市と博多の両方に用事がある相手なら、会う場所の候補に博多が入ることもあります。福岡については福岡の記事を参考にしてください。
山口市は県庁所在地とはいえ、人口19万人ほどの落ち着いた街です。湯田温泉で会うなら、温泉街の中で知り合いに会うことも考えて、店の中で落ち合う形にしておくと安心です。
山口市は、2024年1月にアメリカのニューヨーク・タイムズ紙の「2024年に行くべき52か所」に選ばれ、旅行先として注目を集めました。県の発表でも、令和6年の宿泊者や観光客は、この記事による関心の高まりなどで前の年より増えたとされています。地元紙の報道では、令和6年の県内の観光客は3,241万人で前の年より138万人増え、外国人の宿泊者は12万5,530人と、統計を取り始めてから最も多くなりました。
旅行で山口に来ている人と知り合うこともある、ということです。旅行者は滞在の日数が決まっているので、話が早く進む一方、関係は長く続きません。自分が地元の人か旅行者かを最初に伝えておくと、相手も判断しやすくなります。
日本海側の萩・長門と、県の真ん中の防府・宇部
山口県は、瀬戸内海側と日本海側の両方に海を持つ県です。県の北側、日本海に面した萩市と長門市は、瀬戸内海側の街とは暮らしの距離がかなり違います。
萩市・長門市:萩市は人口39,745人で、5年で4,881人、10.9%減りました。長門市は28,791人で11.5%減です。どちらも城下町や温泉、漁港のある日本海側の街で、新幹線の通る瀬戸内海側までは山を越えて移動することになります。萩や長門に住む相手と会うなら、地元の中で会うか、山口市や新山口駅のあたりまで出てきてもらうかを、早めに相談しておく必要があります。日帰りで会える距離かどうかを、最初に確かめておきましょう。
防府市:山口市と周南市のあいだにある防府市は、人口109,596人で、5年で3.8%減と、県内では減り方の小さい市です。世帯は49,112世帯で、5年で254世帯、0.5%増えました。山口市、下松市とならんで、県内で世帯が増えた三つの市の一つです。山口市にも周南市にも出やすい場所にあり、防府の相手とは、そのどちらかの街で会う形も考えられます。
宇部市・山陽小野田市:宇部市は人口152,689人で、県内3番目の市です。世帯は70,094世帯で、5年で2,501世帯減りました。隣の山陽小野田市は56,530人です。宇部の相手にとっては、東の山口市、西の下関市のどちらにも車で出られるので、会う場所の選び方に幅があります。
どの街も、県の中心から離れるほど、人が少なく、知り合いどうしのつながりが濃くなります。小さな街に住む相手ほど、地元で会うことを避けたがる傾向があるので、少し離れた街を提案してみると話が進みやすくなります。
瀬戸内海側でも、島や半島の町は減り方が大きくなっています。周防大島町は人口12,838人で、5年で13.2%減り、世帯も10.8%減りました。上関町は1,889人で、人口の減り方は19.3%と県内でいちばん大きく、世帯も14.9%減っています。こうした町に住む相手とは、柳井市や岩国市など、近くの市の中心で会う形が現実的です。
山口で相手を探した人から聞かれる声(よくある声の再構成)
※以下は、山口県で相手を探した人から聞かれがちな声を、要点が伝わるよう編集部で組み立て直したものです。特定の個人の投稿ではありません。
山口県・下関市/30代・会社員★★★★★
地元だと知り合いに会いそうなので、電車で十数分の小倉で会うことにした。相手も下関の人で、小倉の方が気楽だと言っていた。
山口県・山口市/40代・公務員★★★★★
職場が近いので駅前は避けて、湯田温泉の店の中で直接会った。帰りはタクシーで、車は家に置いてきた。
山口県・岩国市/30代・看護師★★★★★
相手は岩国の人だったけど、二人とも広島で働いているので、仕事帰りに広島で会った。地元より広島の方が人目を気にしなくて済む。
山口県・下松市/20代・工場勤務★★★★★
相手は周南の人。徳山駅の近くの銀座の商店街で待ち合わせて、そのまま近くの店に入った。駅から近いので迷わなかった。
山口県・宇部市/50代・自営業★★★★★
相手は山口市の人。お互い車なので、新山口駅の近くで会うことにした。どちらからも出やすい場所だった。
山口県・山口市/30代・事務職★★★★★
相手は福岡の人で、新山口まで新幹線で来てくれた。博多から30分ちょっとなので、週末に日帰りで会えた。
山口県・萩市/40代・会社員★★★★★
萩の中だと誰かに見られそうで、休みの日に山口市まで車で出て会った。相手も山口市の人で、待たせずに済んだ。
山口県・防府市/30代・販売職★★★★★
相手は周南の人。防府からは徳山の方が出やすいので、徳山駅の近くで会うことにした。夜は電車で帰れた。
山口県・周防大島町/50代・自営業★★★★★
島の中だと顔見知りばかりなので、会うのはいつも島の外。相手は柳井の人で、二人で岩国まで出ることもある。
周南:徳山駅前の銀座と銀南街
県の東部の中心は、周南市の徳山駅の周りです。周南市は人口131,125人で、隣の下松市、光市とあわせて、瀬戸内海沿いの工業地帯をつくっています。新幹線の徳山駅もあり、広島や博多へも新幹線で出られます。
徳山駅の近くには、アーケードの徳山銀座商店街があり、その南側の銀南街には、スナックや飲み屋が集まっています。周南の夜の中心はこのあたりです。下松市や光市に住む相手も、徳山駅まで出てくれば、夜に会う場所には困りません。
下松市は、県内で人口の減り方がいちばん小さい市(1.6%減)で、世帯は増えています。周南市の隣で、工場や大型の商業施設に近い住宅地が広がる街です。下松に住む相手なら、徳山駅の周りで会うのが分かりやすい形です。
周南市の世帯は62,000世帯で、5年で1,289世帯減りました。周南市の東の光市は46,292人で7.0%減です。県の東部は、徳山を中心にした工業の街どうしが近くに並んでいて、どの街の相手とも車で行き来しやすい距離に並んでいる地域です。
岩国:広島まで在来線で約50分
県の東の端の岩国市は、広島県と境を接する街です。JR山陽本線で岩国駅から広島駅までは、乗り換えなしで約50分です。広島へ働きに出ている人も多く、岩国の人にとって広島は、ふだんの生活の一部と言える街です。
岩国には、岩国錦帯橋空港もあります。県の発表によると、令和6年度の利用者は52.3万人で、過去最高でした。羽田線が約43.3万人、那覇線が過去最高の9.0万人です。東京からの出張で岩国に来る人も、この空港を使います。
岩国の相手と会うなら、岩国で会うか、広島で会うかを最初に決めておきましょう。仕事が広島なら、仕事帰りに広島で会う方が自然です。反対に、広島に住む人と知り合った場合も、岩国までなら在来線一本で来てもらえます。錦帯橋のある岩国は、広島の人にとっては気軽に出かけられる近場の街でもあります。広島の事情は広島の記事にまとめています。
岩国市の人口は119,466人で、5年で9,659人、7.5%減りました。岩国市と広島県大竹市のあいだにある和木町は5,433人の小さな町で、こちらも広島の方を向いて暮らす人の多い町です。岩国の周りに住む相手は、県の中心の山口市より、広島の方がずっと近いと感じているはずです。
車の県と、宇部の空港
自動車検査登録情報協会の集計では、令和7年3月末の山口県の自家用乗用車は810,949台で、1世帯あたり1.233台、全国で29位でした。全国の平均より多く、県内の移動の多くは車です。とくに市と市のあいだは距離があるので、相手が別の市に住んでいるなら、車で会う前提で考えることになります。
車で会う相手とは、お互いの市の中間あたりで、駐車場のある場所を選ぶのが分かりやすい方法です。宇部と山口のあいだなら新山口駅の周り、周南と防府のあいだなら国道沿いの大型店の周り、というように、地図で中間を探しておくと話がまとまりやすくなります。お酒を飲むなら、車は家に置いてきてもらうか、運転代行を使う前提にしておきましょう。
宇部市には、山口宇部空港があります。県の発表では、令和6年度の羽田線の利用者は約87.1万人で、4年続けて前の年を上回りました。宇部市だけでなく、山口市や下関市の人にとっても東京への空の玄関口です。国際チャーター便の利用者も5,863人で、前の年より32.1%増え、羽田線とあわせた利用者は約87.8万人でした。
相手の住まいで変わる、山口の会い方
最後に、ここまでの内容を、相手の住んでいる街ごとに整理します。
| 相手の住まい | 向いている方向 | 会いやすい場所 |
|---|---|---|
| 下関市 | 北九州・福岡 | 豊前田/小倉(電車で約13分) |
| 山口市 | 県内・福岡 | 湯田温泉/新山口駅の周り |
| 宇部市・山陽小野田市 | 山口市・下関市 | 新山口駅の周り(車) |
| 周南市・下松市・光市 | 県東部・広島 | 徳山駅の周り(銀座・銀南街) |
| 岩国市 | 広島 | 岩国駅の周り/広島(約50分) |
山口は、19の市町すべてで人が減る中で、県庁所在地の山口市が世帯を大きく増やしている県です。そして西の下関は北九州と、東の岩国は広島と、県の外の大きな街に向かって暮らしています。相手の住まいと、ふだん出かける街を最初に聞いておけば、無理のない約束が組めます。県の中で会うのか、北九州や広島、福岡まで出て会うのか。その一つを先に決めておくだけで、待ち合わせの場所も、帰りの時間も自然に決まっていきます。全国のほかの地域は、地域別の出会いのまとめに一覧があります。
※本記事は18歳以上の成人を対象にしています。人口と世帯数は山口県統計分析課「令和7年国勢調査 人口等基本集計結果の概要(山口県)」(確定値・2026年9月)、自家用乗用車の台数は自動車検査登録情報協会の集計(令和7年3月末)、空港の利用者数は山口県の発表(令和6年度)、所要時間はJRの時刻表にもとづき、2026年10月1日に確認したものです。


