「ロマンス LINE 出会い」で検索すると、上のほうに警察庁や自治体の「ロマンス詐欺」の注意喚起が並びます。LINEで友だち追加して始める出会いのサービス「ロマンス」を調べたいのに、詐欺の手口の話ばかりが出てきて、肝心のサービスの中身が見えにくい。名前が同じせいで起きている混乱です。
この記事では、サービスとしてのロマンスについて、運営が公開している特定商取引法の表記、利用規約、プライバシーポリシーを読み、何が書かれているかを整理しました。読んでいく途中で、同じLINE入口型のサービス「ペアリング」の規約と文面がほとんど同じだということにも気づいたので、その比較もあわせて載せています。
・メッセージの送信は25ポイント、読むのは無料。
・利用規約は、別の会社が運営するペアリングの規約と、文の9割以上が同じ。違うのは禁止行為の一部と退会の手順。
・退会は、マイページ上部にある5ケタのIDを添えてメールで申し出る。
・「ロマンス詐欺」はサービス名とは関係のない言葉。ただ、LINEでのやり取りには詐欺の入口になりやすい面もあるので、最後に見分け方をまとめた。
サービスの「ロマンス」と「ロマンス詐欺」は別の話
まず言葉を分けておきます。「ロマンス詐欺」は、SNSやマッチングアプリで恋愛感情を持たせ、投資や送金に誘ってお金をだまし取る手口の呼び名です。特定のサービスの名前ではありません。警察庁や各地の警察が注意を呼びかけているのは、この手口のほうです。
実際に「ロマンス LINE 出会い」で検索して上位に出た7件を見ると、警察庁、大阪府高槻市、京都府警、LINEヤフーの記事の4件が詐欺の注意喚起で、サービスのロマンスを扱っていたのは口コミサイトなど3件でした。サービスのことを知りたくて検索した人ほど、詐欺の記事を読んで不安になり、そのまま判断してしまいやすい状況です。
一方の「ロマンス」は、株式会社カノープスが運営する出会いのサービスの名前です。検索結果で詐欺の注意喚起と並んで表示されるのは、名前が同じだからで、サービスが詐欺だと公的に指摘されているわけではありません。この違いを押さえたうえで、サービスの中身を見ていきます。
トップページには、ほとんど何も書かれていない
ロマンスの公式サイトのトップページに書かれているのは、「友だち追加で今すぐスタート」というボタンと、18歳未満や高校生は使えないという注意、利用規約への同意、それに届出番号と著作権表示だけです。どんな人が登録しているのか、何ができるのか、料金はどうなっているのかといった説明は、トップページにはありません。
登録の入口はLINEの友だち追加の一つだけで、ボタンを押すとLINEの公式アカウントへ転送されます。メールアドレスで登録する画面は用意されていません。サービスの説明を読んでから決めたい人は、画面の下にある「特定商取引法に基づく表示」と「利用規約」を開くしかない作りです。
裏を返すと、ロマンスについて利用者が事前に確かめられる情報は、ほぼこの二つのページに集まっています。以下はその二つを読んだ結果です。
特定商取引法の表記から分かること
運営会社と届出
販売業者は株式会社カノープスで、所在地は沖縄県豊見城市、運営責任者の名前、メールアドレスと050から始まる電話番号が載っています。インターネット異性紹介事業の受理番号と、電気通信事業の届出番号の両方が書かれています。どこの警察署に届け出たかは書かれていないので、気になる人は問い合わせで確認できます。
問い合わせの受付は、メールが24時間、電話が平日の11時から19時です。チャットでの対応は書かれていません。電話は平日の昼間しかつながらないので、仕事をしている人が実際に使いやすいのはメールです。問い合わせの内容と送った日時は、後から確かめられるように手元に残しておきましょう。
料金はメッセージ25ポイント
ポイント料金の表は、次のとおりです。1ポイントの値段も表記の中に書かれています。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 会員登録 | 無料 |
| プロフィールの編集・閲覧 | 無料 |
| 文章メッセージの送信 | 25ポイント |
| 文章メッセージの閲覧 | 無料 |
| 画像メッセージの送信 | 25ポイント |
| 画像メッセージの閲覧 | 無料 |
25ポイントという単位は、ポイントの数と通数の関係が分かりやすいのが特徴です。100ポイントでちょうど4通、1,000ポイントでちょうど40通になり、端数が残りません。30ポイント単位のサービスだと、100ポイントでは3通送って10ポイントが余ります。同じポイント数なら、ロマンスのほうが送れる通数は多くなります。
一方で、どの大きさのポイントのまとまりが売られているかは、特商法の表記には一覧がありません。購入の手続きの画面で表示される、と書かれているだけです。いきなり大きなまとまりを選ばず、最初は一番小さいものから試すのが無難です。
ポイントの有効期限は、特商法の表記で「購入から6ヵ月」、規約の第6条で「購入日より180日間」とされています。購入したポイントは返金されず、退会すると残りはすべて消えます。何通送るつもりかを決めてから、必要な分だけ買うのが基本になります。ポイント制の費用の考え方は料金とポイントの仕組みにまとめています。
「前払いのみ」と書きながら、後払いも並んでいる
支払い方法の欄には「お支払いは前払いのみとなります」と書かれています。ところが同じ欄の中に、後払いのペイディについての説明も続いています。月末締めで翌月に請求が届き、コンビニや銀行振込なら10日まで、口座振替なら12日に引き落とし、という内容です。
カード払いと電子マネーは前払い、ペイディだけは後払い、という意味だと読むのが自然ですが、書き方としては分かりにくい部分です。どの支払い方法がいつ請求されるのかは、購入の画面で必ず確かめてください。カード払いについては、決済時の為替レートによって請求額が変わる場合がある、とも書かれています。
利用規約は、ペアリングとほぼ同じ文面
ロマンスの利用規約を読み進めると、別のLINE入口型サービス「ペアリング」の規約と、言い回しまでほとんど同じであることに気づきます。両方の規約を句点で区切って照らし合わせたところ、ロマンスの規約の61文のうち58文が、ペアリングの規約とまったく同じ文でした。プライバシーポリシーも24文のうち19文が一致しています。
運営会社は、ロマンスが沖縄のカノープス、ペアリングが大阪のエルフ合同会社で、書類の上では別の会社です。規約のひな形を共有しているのか、同じ制作元のシステムを使っているのかは、公開情報からは分かりません。サイトのページ構成(特商法、規約、プライバシーポリシーのアドレスの付け方)も共通しています。
ペアリングの規約と料金を読んだ結果はペアリングの記事にまとめています。ここでは、同じ部分と違う部分を並べておきます。
| 項目 | ロマンス | ペアリング |
|---|---|---|
| 運営 | 株式会社カノープス(沖縄県) | エルフ合同会社(大阪府) |
| 登録の入口 | LINEのみ | LINEとメールアドレス |
| メッセージ送信 | 25ポイント | 30ポイント |
| ポイントの期限 | 180日 | 180日 |
| 禁止行為(第7条) | 個人を特定できる行為の禁止が書かれていない | 個人情報の公開や個人を特定できる行為を禁止 |
| 退会の申請 | メールに5ケタのIDを添える | メールでその旨を送る |
| ブロックで退会扱い | 1か月以上たつと退会扱い | 同じ |
| 英国法の条項 | なし | 一部の決済で英国法に準拠 |
| 裁判の管轄 | 東京の裁判所 | 東京の裁判所 |
第7条から、ある一行が消えている
違いの中で目を引くのが、禁止行為を並べた第7条です。ペアリングの規約にある「個人情報の公開、もしくは個人を特定できる行為」と「営利目的、アフィリエイト、売春等の目的とする行為」の二つが、ロマンスの規約には見当たりません。
文字どおりに読めば、ロマンスでは連絡先の交換などが規約の上ではっきり禁止されていない、ということになります。自由度が高いとも言えますが、利用者どうしで個人情報をやり取りして起きたトラブルについて、運営は第11条で一切関与しないと書いています。交換するかどうかは、自分の責任で判断する場面だと考えてください。
相手の実在性は保証しない
第11条には、利用者がサービスで得る情報について、その正確性や確実性、実在性などを一切保証しない、と書かれています。プロフィールの写真や自己紹介が本人のものかどうかを、運営は約束していないということです。これは両サービスに共通する条文です。
年齢確認は、身分証の画像を送る
第18条では、登録後に年齢や生年月日、証明書の名前と発行元が分かる身分証を画像で送り、18歳未満でないと確認されてから使えるようになる、と定めています。確認前の自己紹介文に会う場所や時間を書くと、予告なく掲載を止めることがある、という一文もあります。身分証を送る前に、写さなくてよい部分があるかを問い合わせておくと安心です。
メールアドレスの登録は「任意」
プライバシーポリシーでは、運営が集める個人情報を電子メールアドレスとし、その使い道を、アカウントを別の端末に引き継ぐときの本人確認としています。ロマンスのポリシーには、ペアリングにはない「メールアドレス情報は任意で入力する」という一文があります。
登録はLINEだけで済みますが、メールアドレスを入れていないと、スマホの機種変更やLINEのアカウントを作り直したときに、ポイントやこれまでのやり取りを引き継げない可能性があります。ポイントを買うつもりなら、普段使いとは別のアドレスでかまわないので、早めに登録しておくと安心です。
退会するときは、IDを控えてからメールを送る
ロマンスで一番注意したいのが退会の手順です。規約の第8条は、退会の申請を運営のメールアドレスへ送るよう定めていて、その際に「マイページ上部記載の5ケタの数字」のIDを添えるよう求めています。IDが分からないまま送ると、本人の確認に時間がかかるおそれがあります。登録したら、まずマイページを開いて5ケタのIDを控えておきましょう。
申請が届けば、利用に問題がなければ運営が確認し次第すぐ退会処理をする、とされています。手数料はかかりません。LINEの友だちをブロックして1か月以上たつと退会扱いになる、という条文もありますが、その1か月は会員のままです。やめると決めたら、ブロックの前にメールを送るほうが確実です。
送る文面は、次のように短くてかまいません。
ロマンスを退会します。
ID:(マイページ上部の5ケタの数字)
登録しているLINEの表示名:(表示名)
アカウントの継続は希望しません。退会処理が終わりましたらご連絡ください。
返信が届いたら、そのメールは消さずに保存しておきます。後から請求や通知が届いたときに、退会を申し出た日を示す記録になります。数日たっても返信がない場合は、同じ文面をもう一度送り、送った日をメモしておきましょう。
登録した日に済ませておきたいこと
ここまで読んだ規約と特商法の中身を、登録した直後の行動に置き換えると、次の順になります。どれも数分で終わりますが、後からやろうとすると手間取るものばかりです。
一つ目:マイページで5ケタのIDを控える
退会の申請に必要なIDは、マイページの上部に表示されています。スクリーンショットを撮るか、メモ帳に書き写しておきます。やめたくなった時にLINEのトーク画面から探し直すより、はるかに早く済みます。
二つ目:メールアドレスを登録する
任意とされているメールアドレスですが、端末を替えた時の引き継ぎに使うと書かれている以上、ポイントを買う前には入れておきたいところです。運営からの退会処理の連絡を受け取る先にもなります。
三つ目:自己紹介文に、会う場所や時間を書かない
第18条のとおり、年齢確認が終わる前の自己紹介文に、待ち合わせの場所や時間を思わせる言葉があると、掲載を止められることがあります。住んでいる地域や趣味、会える曜日のように、具体的な約束にならない書き方にとどめておきます。
四つ目:身分証を送る前に、隠してよい部分を聞く
年齢確認で必要なのは、生年月日と証明書の名前、発行元です。それ以外の部分を隠して送ってよいかは、メールで問い合わせれば確かめられます。返事を待ってから送っても遅くはありません。
五つ目:最初に買うポイントを決めておく
25ポイントで1通なので、何人と何通くらいやり取りするかを決めれば、必要なポイントはすぐ計算できます。期限は180日で、使わなかった分は戻らないので、見積もりより少し少なめに買うくらいが損をしません。
困ったときに、どこへ相談するか
ロマンスの運営は沖縄の会社ですが、規約の第19条は、裁判になった場合の第一審を東京簡易裁判所か東京地方裁判所と決めています。第9条以降には、利用者どうしのトラブルに運営は関与しない、問い合わせに回答しない場合がある、といった条文も並びます。運営とのやり取りだけで解決しない場面は、ありえると考えておいたほうが現実的です。
請求や退会で話がこじれたときは、まず運営へのメールと返信を日付つきで保存します。そのうえで、お住まいの地域の消費生活センターに相談できます。全国共通の消費者ホットライン「188」に電話すれば、近くの窓口につないでもらえます。相談するときは、特商法の表記のページ、購入の記録、運営とのやり取りの三つがそろっていると話が早く進みます。
相手から金銭を求められた、脅すようなことを言われた、という場合は、消費生活センターではなく警察の相談窓口が適しています。警察相談専用の電話は「#9110」です。
LINEで始まる出会いと、ロマンス詐欺の入口
サービスのロマンスがロマンス詐欺と関係するわけではありません。それでも、LINEで知り合った相手とのやり取りが詐欺の入口になる例は、警察の注意喚起でも繰り返し取り上げられています。どのサービスを使う場合でも、次の流れが出てきたら立ち止まってください。
会う話より先に、お金の話が出てくる
ロマンス詐欺では、会う約束はいつまでも具体的にならないのに、投資や副業、暗号資産の話が先に出てくるのが典型です。「私も最初は半信半疑だった」「二人の将来のために」といった言葉で、少額から始めるよう勧めてきます。出会いのサービスで知り合った相手からお金の話が出たら、その時点でやり取りを止めて問題ありません。
別のアプリやサイトへ移ろうと言われる
やり取りの場を別のメッセージアプリや、投資の専用サイトへ移そうとするのも、よくある流れです。サービスの外に出ると、運営に通報することも、やり取りの記録を残すことも難しくなります。ロマンスの規約は連絡先の交換をはっきり禁止していないぶん、ここは自分で線を引く必要があります。
写真が整いすぎている
他人の写真を使ったなりすましは、ロマンス詐欺の出発点になりがちです。相手の写真を画像検索にかけて、別の名前で同じ写真が使われていないかを確かめるだけでも、多くは見抜けます。詳しい確かめ方はサクラ・業者の見分け方に書いています。LINEで出会うときに先に決めておきたいことはLINEで出会うときの安全な手順にまとめました。
使った人から聞く声(よくある声の再構成)
※LINE入口型のサービスを使った人からよく聞く声を、傾向が伝わるように編集部で再構成しました。特定の個人の投稿ではありません。
トップに説明が何もないので不安だったけど、特商法のページを開いたら料金表がちゃんとあった。送るのに25ポイントと分かってからは、通数を決めて使えた。
退会のときにIDが要ると知らずに、慌ててマイページを探した。最初にメモしておけば良かった。メールで申し出たら、その日のうちに返事が来た。
ペアリングも使ったことがあったので、規約を読んで同じ文章だと気づいた。違うのは料金と退会のやり方くらい。両方を比べてから選べたのは良かった。
やり取りしていた相手から投資の話が出たので、そこで止めた。検索したらロマンス詐欺の話がたくさん出てきて、止めて正解だったと思う。サービスの名前と紛らわしいのは困る。
ほかの候補と並べるときに、見る場所は同じ
この記事でロマンスについて確かめたのは、特定商取引法の表記、利用規約、退会の方法、相談先でした。ほかのサービスと比べるときも、見る場所は変わりません。名前や広告の印象ではなく、運営の表示と、お金と、やめ方の三つを、同じ順番で開いて並べることです。
比べる候補として、セフレポが紹介しているリピアイとスグラブも挙げておきます。どちらもLINEの友だち追加から入り、利用を始める前に身分証での年齢確認があります。相手のプロフィールを見るのと、届いた文章を読むのにはポイントがかからず、送るときは1通30PT。新規登録で1,300円分(130PT)が付くので、買う前に何通か送って、やりとりの感じを確かめられます。
そのうえで、この記事でロマンスに対してしたのと同じ確かめ方を、紹介している二つにも当ててください。運営の表示と規約は、どちらも登録の前に開けます。紹介しているからといって確かめなくてよい、ということにはなりません。
ロマンスを使うかどうか、決める前に
ロマンスは、届出番号や運営会社、料金表、年齢確認の方法を公開しているサービスです。ただ、トップページには説明がなく、判断の材料は特商法の表記と規約に限られます。その規約は別のサービスとほぼ同じ文面で、違いは料金や退会の手順といった細かな部分にあります。
使うと決めたなら、登録したらすぐにマイページの5ケタのIDを控える、送る通数を決めてから必要な分だけポイントを買う、お金の話が出たらやり取りを止める、の三つを守ってください。同じLINE入口型のサービスとしては恋パラの規約と料金も公開情報で読んでいるので、比べてから選ぶ材料にしてください。
ロマンスの規約とほかのLINE登録型サービスとの一致率は、LINE登録型7サービスの規約くらべの表で確かめられます。


