離婚届を出したその日から、新しい相手と会ってもいいのか。結婚していたころには考えもしなかった問いが、離婚した人の前には現れます。法律の上での答えは、2024年4月にはっきりしました。それまで女性だけに課されていた、離婚から100日間は再婚できないという決まりが、改正された民法の施行で廃止されたからです。今は、男性も女性も、離婚が成立した次の日から、誰と付き合うのも、誰と結婚するのも自由です。
ただ、法律が許していることと、自分の気持ちや暮らしが追いついているかは別の話です。この記事では、離婚を経験して今は一人でいる人が、恋人や結婚ではない大人の関係を考えるときに知っておきたいことを、国の統計と法律の変化から順に見ていきます。数字は、総務省の令和7年国勢調査の確定値と、厚生労働省の令和7年人口動態統計にもとづいています。
離婚して一人の人は、全国で576万人
令和7年国勢調査で、15歳以上の人のうち「離婚して、今は配偶者がいない」と答えた人は、男性207万4,086人、女性369万2,030人、合わせて576万6,116人でした。女性が男性の1.78倍です。離婚した男性のほうが再婚する人の割合が高いことや、男性のほうが早く亡くなることが、この差の背景にあると考えられます。
| 年齢 | 離婚して一人の男性 | 離婚して一人の女性 | 女÷男 |
|---|---|---|---|
| 30代 | 12万9,993人 | 26万9,957人 | 2.08倍 |
| 40代 | 31万3,829人 | 60万7,673人 | 1.94倍 |
| 50代 | 55万1,894人 | 97万3,141人 | 1.76倍 |
| 60〜64歳 | 27万6,680人 | 42万9,405人 | 1.55倍 |
年代で見ると、いちばん多いのは50代で、男性は55〜59歳、女性は50〜54歳が最も多い年齢層です。40〜59歳をまとめると、男性86万5,723人に対して女性158万814人で、1.83倍になります。大人の関係を探す中心の年代で、離婚を経験した人はこれだけの数がいるということです。
もう一つ目を引くのは、女性の60代前半です。この年代では、離婚して一人の女性が42万9,405人で、結婚したことのない女性の41万3,429人を上回ります。50代までは未婚の女性のほうが多いのに、60代に入ると逆転します。同じ年代の独り身の女性と知り合うなら、相手が離婚を経験している可能性は、未婚である可能性と同じくらいかそれ以上にあると考えておくのが自然です。
長く連れ添ってからの離婚が、じわじわ増えている
厚生労働省の人口動態統計によると、2025年の離婚件数は確定数で17万9,073組でした。前の年より6,831組減っていて、2002年の28万9,836組をピークに、近年は18万組前後で推移しています。
同じ統計を同居していた期間で分けると、少し違う景色が見えてきます。2025年の概数では、同居期間が20年以上の夫婦の離婚は3万9,886組で、離婚全体のおよそ22%を占めました。1985年の2万434組と比べると、ほぼ2倍です。そして2025年に前の年より増えたのは、同居期間が30年以上の離婚だけでした。30年から35年が5,790組、35年以上が7,336組で、どちらも前年を上回っています。
一方で、件数がいちばん多いのは、今も同居期間が5年未満の離婚です。2025年の概数では4万8,154組で、全体の約27%を占めています。5年から10年が3万5,373組で、これに続きます。結婚して間もなく別れる人と、長く連れ添ってから別れる人。離婚を経験した人には、この両方の姿があります。若いうちに離婚した人は、次の相手を探すことにそれほど抵抗がない一方で、長い結婚生活のあとに一人になった人は、探し方そのものが分からないことが多いのです。
子どもが独立したあと、あるいは定年を迎えたあとに、長い結婚生活を終える人が少しずつ増えているということです。こうした人たちは、20代や30代で結婚して以来、何十年も「誰かと知り合う」ことをしていません。出会いの場がスマートフォンの中に移っていること、メッセージのやり取りから始まる関係の作法が若いころと違うことに、戸惑う人も多いはずです。
再婚は、結婚した人の6組に1組前後
人口動態統計の概数では、2025年に結婚した夫婦のうち、夫が再婚だった割合は17.5%、妻が再婚だった割合は15.4%でした。どちらも前の年より少し下がっています。同じ年の婚姻件数は概数で48万9,119組なので、割合から計算すると、夫が再婚の結婚はおよそ8万6千組、妻が再婚の結婚はおよそ7万5千組にあたります。離婚して一人でいる人が全国に576万人いることと並べると、一年のうちに再婚する人は、その中のごく一部です。
この数字だけを見ると、離婚した人の多くは再婚しないまま暮らしている、とも読めます。実際、離婚を経験した人の中には、もう一度結婚することにためらいを持つ人が少なくありません。財産や住まいのこと、子どものこと、元の配偶者との関係、そして何より「また同じことが起きたら」という気持ち。そうした事情を抱えながら、それでも誰かとのつながりは欲しい、という人にとって、結婚を前提にしない大人の関係は、自然な選択肢の一つになります。
大切なのは、自分がどちらを望んでいるのかを、自分の中ではっきりさせておくことです。再婚したいのか、したくないのか、今はまだ分からないのか。相手を探し始めてから考えるのではなく、探す前に一度言葉にしておくと、相手にもそれを正直に伝えられます。結婚を望む相手と、望まない自分とがずれたまま関係を深めると、離婚のときと同じような傷を、今度は自分が相手に負わせることになりかねません。
離婚が成立する前に、相手を探さない
法律の面で一番気をつけたいのは、離婚が成立する前の時期です。別居していても、離婚の話し合いが進んでいても、離婚届が受理されるまでは、法律の上ではまだ結婚しています。民法770条は、裁判で離婚を求められる理由の一つ目に「配偶者に不貞な行為があったとき」を挙げています。
話し合いの最中にほかの相手と関係を持つと、それが相手の側から不貞として主張され、慰謝料を求められたり、離婚の条件の話し合いで不利になったりすることがあります。別居が長く続いていて、夫婦の関係がすでに壊れていたと言える場合には扱いが変わることもありますが、それを判断するのは自分ではありません。一人になった寂しさから、成立を待たずに相手を探したくなる気持ちは分かりますが、離婚届が受理されるまでは待つ。迷うことがあれば、弁護士や法テラスに相談してから動くのが安全です。
離婚が成立したあとも、財産分与や養育費の話し合いが続いていることがあります。その最中に新しい相手との関係が元の配偶者に知られると、話し合いがこじれる原因になることもあります。手続きが全部終わるまでは、新しい関係を人に話したり、写真に残したりするのは控えめにしておくほうが無難です。
子どもがいるなら、2026年4月からの共同親権も頭に入れておく
2026年4月1日には、もう一つ大きな改正が施行されました。離婚したあとも、父と母の両方が親権を持つ「共同親権」を選べるようになったのです。それまでは、離婚すると父か母のどちらか一方だけが親権者になる決まりでした。施行の日より後に離婚する場合から、共同親権を選べるようになっています。
共同親権を選んだ場合、子どもの進学や住まいのことなど、大事なことを元の配偶者と一緒に決めていくことになります。元の配偶者と連絡を取り合う機会は、単独親権のときより多くなるでしょう。子どもと会う日、元の配偶者と話す日、自分の仕事の日。そのすき間に新しい相手と会う時間を作ることになるので、会える日は限られます。相手には、最初のうちにその事情を伝えておくと、会えない日が続いても気持ちがすれ違いにくくなります。
今の時点で、離婚したあとの親子のつながりがどれくらい続いているかは、国の調査で見ることができます。令和3年度の全国ひとり親世帯等調査では、離婚などで別れて暮らす親と子どもとの交流(親子交流、以前の面会交流)を「現在も行っている」と答えたのは、母子世帯で30.2%、父子世帯で48.0%でした。養育費を「現在も受け取っている」のは、母子世帯で28.1%、父子世帯で8.7%です。
この数字は、離婚したあとの暮らし方が家庭ごとに大きく違うことを示しています。子どもと定期的に会っている親もいれば、ほとんど連絡を取っていない親もいます。新しい相手に事情を伝えるときも、「子どもがいる」の一言では足りません。子どもと一緒に暮らしているのか、別に暮らしていて月に何度か会うのか、その日はいつなのか。そこまで伝えておくと、相手は会える日を無理なく合わせられます。
子どもを育てている女性と知り合う側の心構えは、シングルマザーと出会う方法の記事にまとめています。ここでは、離婚した本人の側から見た話にとどめます。
離婚歴は、いつ、どこまで伝えるか
大人の関係を探すとき、離婚した経験をプロフィールに書くかどうかは、多くの人が迷うところです。書けば、それを気にする相手は最初から離れていきます。書かなければ、あとで話したときに「どうして黙っていたのか」と思われるかもしれません。
一つの考え方は、「離婚していること」までは最初から書き、「なぜ離婚したのか」は、会って信頼できると分かってから話す、という分け方です。離婚の経験があること自体は、同じ年代の相手にとって珍しいことではありません。50代なら、独り身の人のかなりの部分が離婚を経験していることは、先ほどの数字が示すとおりです。一方で、離婚の理由は、元の配偶者や子どもにも関わる話です。出会ったばかりの相手に詳しく話す必要はありませんし、話しすぎると、相手は元の配偶者の悪口を聞かされているように感じることもあります。
子どもがいるかどうかは、会う日の都合に直結するので、早めに伝えておくほうがお互いのためです。年齢や人数まで細かく書く必要はなく、「子どもとの時間を優先しています」くらいの書き方で、相手には十分に伝わります。
元の配偶者の生活圏と、共通の知人を避ける
離婚したあとも、元の配偶者と同じ街に住み続ける人は少なくありません。子どもの学校の都合や、仕事の都合で、すぐには引っ越せないこともあります。そうした場合、新しい相手と会う場所には特に気をつけたいところです。
結婚していたころに二人でよく行った店、子どもの学校の近く、元の配偶者の職場の近く。こうした場所で新しい相手と一緒にいるところを見られると、話はすぐに元の配偶者や子どもの耳に入ります。まだ財産や養育費の話し合いが残っている時期なら、なおさらです。会う場所は、自分の住まいからも元の配偶者の生活圏からも少し離れた街を選び、待ち合わせの駅も、知り合いが使わない駅にしておくと安心です。
もう一つ気をつけたいのが、共通の知人です。夫婦で付き合っていた友人や、子どもを通じて知り合った親たちは、離婚したあとも元の配偶者とつながっていることがあります。新しい相手の話を、悪気なく伝えてしまうかもしれません。関係が落ち着くまでは、共通の知人には話さない。それだけで、余計な行き違いはずいぶん減ります。SNSに載せる写真や、位置の分かる投稿も、関係が落ち着くまでは控えておきましょう。共通の知人がそれを見れば、誰と会っているのかは案外すぐに伝わってしまいます。
相手も離婚を経験しているときに、聞かないこと
同じ年代の相手と知り合えば、相手もまた離婚を経験していることがよくあります。お互いに離婚した者どうしなら話は早い、と思いがちですが、気をつけたいこともあります。
一つは、離婚の理由を最初から聞かないことです。自分が聞かれたくないのと同じように、相手にも話したくない事情があります。浮気、借金、暴力、親との関係、あるいはどちらのせいでもないすれ違い。理由によっては、思い出すだけでつらいこともあります。相手が自分から話すまで待つのが、同じ経験をした者どうしの礼儀です。
もう一つは、元の配偶者の悪口に乗らないことです。相手が前の結婚の不満を話し始めたとき、一緒になって元の配偶者を責めると、その場は盛り上がるかもしれません。けれど、その人はいずれ、その元の配偶者と子どものことで話し合わなければならない立場にいるかもしれません。話を聞くのはいいとしても、相手の家族のことを裁く側には立たないほうが、関係は長く続きます。
何十年ぶりの出会いで、戸惑うこと
長い結婚生活のあとで出会いを探し始めた人が最初に驚くのは、出会い方の変化です。今は、スマートフォンで相手のプロフィールを読み、メッセージをやり取りしてから会うのが当たり前になっています。若いころのように、職場や友人の紹介で知り合うことは、50代以降ではむしろ少なくなります。
メッセージから始まる出会いでは、相手の顔も声も分からないまま、文章だけで相手を判断することになります。だからこそ、気をつけたいのはお金の話です。一度も会っていない相手から、投資や仕事の話、困っているからお金を貸してほしいという話が出たら、それ以上やり取りを続ける理由はありません。離婚したばかりで気持ちが揺れている時期は、そうした話に乗りやすい時期でもあります。年齢確認をきちんと行い、届出をしているサービスを選ぶこと、会う前にお金の話をする相手とは距離を置くこと。この二つを最初に決めておけば、久しぶりの出会いでも大きく道を外れることはありません。
離婚の手続きが全部終わってから、ゆっくり始める
離婚届が受理され、話し合いが一段落したら、新しい相手との出会いを探し始めても誰にも遠慮はいりません。リピアイとスグラブは、LINEで友だちに追加してから身分証で年齢を確かめて使う仕組みで、相手のプロフィールや届いた文章を読むのは無料です。こちらから送るときにだけ1回30PTを使い、登録すると130PT(1,300円分)が付きます。何十年ぶりの出会いでも、まずは同じ年代の人がどんなことを書いているのか、読むところから始められます。
前の結婚と、比べない
離婚を経験した人が新しい相手と関係を持つとき、無意識にやってしまいがちなのが、前の配偶者との比較です。前は記念日を忘れられた、前はこう言うと怒られた、前はこれをしてくれなかった。相手の言葉や行動を、前の結婚の物差しで測ってしまうのです。
新しい相手は、前の配偶者とは別の人です。前の結婚でうまくいかなかったことを、新しい相手との関係で取り戻そうとすると、相手には重く感じられます。とくに結婚を前提にしない関係では、相手が引き受けられる範囲はもともと限られています。前の結婚で満たされなかったものを、全部この関係で埋めようとしないこと。そう決めておくだけで、関係はずっと軽やかになります。
反対に、前の結婚で学んだことは、新しい関係に生かせます。自分がどんなときに疲れるのか、どんな言葉に傷つくのか、どれくらいの距離が心地よいのか。結婚を経験した人は、それを一度、身をもって知っています。それを最初のうちに相手と共有できれば、関係の取り決めはずっと早く決まります。
離婚したあとの体と、心の時間
長い結婚生活のあとでは、体の関係そのものが久しぶりという人もいます。何年も、あるいは何十年も同じ相手としか関係を持っていなかった人にとって、避妊や性感染症の検査の話をどう切り出すかは、思っている以上に難しいものです。新しい相手と関係を持つ前に、保健所で受けられる無料・匿名の検査について調べておくと、話を切り出すきっかけにもなります。
心の面では、離婚した直後は、気持ちが大きく揺れやすい時期です。解放された気持ちと、失ったものへの悲しみが、同じ日のうちに入れ替わることもあります。そうした時期に知り合った相手に、気持ちを預けすぎてしまうことがあります。相手を探し始めるのは、自分の暮らしのリズムが少し落ち着いてからでも遅くはありません。寂しさに押されて急いでいると感じたら、寂しいからセフレがほしいときの記事も読んでみてください。
離婚は終わりではなく、一人の生活の始まりです。法律はもう、離婚した次の日から誰かと出会うことを止めていません。あとは、自分の気持ちと暮らしの準備が整ったかどうかです。手続きが全部終わり、子どもや元の配偶者との関わり方が決まり、自分が何を望んでいるのかを言葉にできたとき、新しい相手を探す一歩は、ずっと踏み出しやすくなっているはずです。40代や50代、60代の出会いそのものについては、40代・50代の出会いと60代の出会いの記事でも扱っています。
出典:総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計(確定値)」第4-3表/厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計(確定数)の概況」(2026年9月30日公表)・「令和7(2025)年人口動態統計月報年計(概数)の概況」(同居期間別離婚件数・再婚件数の割合)/厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果」。民法の改正内容は法務省の公表にもとづきます。個別の事情については弁護士などの専門家に相談してください。


