LINEで登録する出会いのサービス「Monogram(モノグラム)」の利用規約を開くと、第18条に年齢確認の決まりがあります。そこには、男女ともに法的な身分証明書で年齢を確かめると書かれ、書類の例として「運転免許証、健康保険証、パスポート」が並んでいます。ところが、紙の健康保険証は2024年12月2日に新しく発行されなくなり、手元に残っていた保険証も、経過措置の期限(最長でも2025年12月1日)を過ぎています。規約の文言が、今の制度に追いついていないということです。
この記事では、Monogramの公式サイトに載っている利用規約、特定商取引法に基づく表記、プライバシーポリシー、トップページを2026年11月7日に読み、使う前に知っておきたい決まりを順に見ていきます。規約の日付は書かれていないため、いつの版かは分かりません。読んだ日の内容として整理しました。
トップページは「すぐ会える」、規約は「趣味や関心の交流」
Monogramのトップページは、「まさに王道、大人のコミュニティ。」という言葉から始まります。「すぐマッチして、すぐ会えちゃう!」「その日中に出会える可能性が他サービスよりも圧倒的」と、会うまでの早さを前に出しています。近所のメンバーが自動で表示され、新しいメンバーからメッセージが届くとLINEに通知が来る、という仕組みも紹介されています。登録したLINEや名前が相手に公開されることはない、とも書かれています。
一方、利用規約の第3条は、このサービスの目的を次のように定めています。会員制のソーシャル・ネットワーキング・サービスで、「趣味や関心を同じくする個人が、本サービス上で交流し、情報を交換すること」が目的だ、と。トップページの「その日中に出会える」と、規約の「趣味や関心の交流」では、ずいぶん印象が違います。広告の言葉より、契約として効力を持つのは規約のほうです。どちらの言葉を信じて使うかは、利用者が自分で決めることになります。
登録のボタンは「利用規約とメール配信に同意する」
トップページの登録のボタンには、「利用規約とメール配信に同意する」と書かれています。その下にも「メール配信、利用規約に同意の上ご登録ください」という注意書きがあります。つまり、登録した時点で、規約だけでなく、運営からのメールを受け取ることにも同意したことになります。
規約の第9条によると、Monogramは自社や広告主の広告を利用者に届けることがあり、広告主が提供するサービスの中身や結果について、運営は保証も責任も負わないとしています。広告を使った結果の損害についても、運営を免責することに同意するよう求めています。メールの配信を止めたい場合は、マイページの「サポート問合せ」から申し出る形です。登録のあとに届くメールに広告が含まれていても、それは規約の上では想定されたことだと考えておくとよいでしょう。
プロフィールは他の会員に公開される
規約の第5条は、利用者が任意で書いたプロフィールの情報は、ほかの利用者に向けて公開されると定めています。トップページでは、近所のメンバーが自動で表示され、条件で検索もできると説明されています。LINEの名前や本名は相手に公開されないとされていますが、自分で書いたプロフィールの中身は見られる、ということです。住んでいる地域や勤め先が分かるような書き方は、避けておくほうが安心です。
料金は送るときだけ。1ポイントの値段は特商法の表記にある
特定商取引法に基づく表記には、ポイントの料金表が載っています。会員登録、プロフィールの編集と閲覧は無料です。文章のメッセージを送るのに30ポイント、画像のメッセージを送るのにも30ポイントかかり、届いた文章や画像を見るのは無料です。受け取る側にはお金がかからず、自分から送るたびにポイントが減る、という形です。
1ポイントの値段は、同じ特商法の表記に円で書かれています。登録する前に、自分が1か月に何通くらい送るつもりかを決め、その通数に30をかけたポイントが、いくらになるかを計算しておくと安心です。料金が「都度、購入手続きの際に表示されます」とされている点も、ほかのサービスと同じです。
クレジットカードの一部は米ドル建て
支払い方法はクレジットカードと電子マネーの二つです。注意したいのは、クレジットカードの一部が米ドル建ての決済になると書かれていることです。為替の動きや為替手数料によって、請求される金額が申し込んだ金額と「最大1割程度異なる場合がございます」とされています。カードの明細を見て思っていた金額と違っても、この決まりによるものかもしれません。電子マネーは前払いです。どちらの方法でも、支払いは購入の手続きが終わった時点で確定し、ポイントはすぐに使えるようになると特商法の表記に書かれています。
ポイントの期限は半年。返金は一切なし
買ったポイントには期限があります。規約の第6条は「購入日から6ヶ月(180日)」、特商法の表記は「個々の購入から半年以内」と書いています。どちらも、買ってから約半年でポイントが消えるという意味です。まとめて多く買うと、使い切れずに消える分が出やすくなります。
返金については、規約も特商法の表記も厳しく書いています。ポイントを買ったあとの料金の返金には「一切応じられません」とされ、退会したときに残っていたポイントはすべて削除されます。期限が切れて消えたポイントの返還や買い取りもしません。規約に違反して退会させられた場合も、料金は返らないと書かれています。少しずつ買って、使い切ってから次を買うのが、無駄の出ない使い方です。
退会は申請制。LINEのブロックで1か月後に退会扱い
退会の手順は、規約の第8条に書かれています。マイページの「サポート問合せ」から、退会したいと送る形です。利用に問題がなければ、運営が確認しだい、基本的にすぐ退会の処理がされるとしています。退会に手数料はかかりません。ボタン一つで退会が済む形ではないので、申請したあとに退会が終わったかどうかを確かめておくと安心です。
もう一つの決まりが、LINEのブロックです。利用者が友だちをブロックしてから1か月以上たつと、退会したものとして扱うとされています。つまり、ブロックしただけでは、すぐには退会になりません。ブロックしたあとも1か月ほどはアカウントが残ることになります。早く確実にやめたいなら、ブロックの前にサポート問合せから申請しておくほうが確実です。
同じ第8条には、退会しても、申請すればアカウントを続けて使える場合がある、という一文もあります。退会したつもりでも、アカウントが残る余地がある書き方です。個人情報については、プライバシーポリシーの第8項で、問い合わせへの対応などのために、退会が終わってから1年間は保管すると書かれています。
規約は予告なく変わり、サービスが止まることもある
規約の第2条は、運営は利用者の了解を得ずに、いつでも規約を改定できると定めています。改定した規約はサービスの上に掲載され、掲載した時点から効力を持つとされています。改定の日付が規約に書かれていないので、利用者の側からは、いつ何が変わったのかを確かめにくい作りです。使い続けるなら、ポイントを買う前などに、ときどき規約を読み直しておくのが無難です。
サービスの提供についても、運営の側の裁量が大きく書かれています。第12条では、利用者に通知したうえで、サービスの全部または一部をいつでも終わらせることができるとしています。第13条では、設備の保守や障害、運用上・技術上の問題があれば、事前の通知なく一時的にサービスを止めることがあるとしています。ポイントの有効期限は半年ですから、サービスが止まっている間も期限は進むことになります。
個人情報の扱い:集めるのは「電子メールアドレス」と書かれている
プライバシーポリシーには、少し分かりにくいところがあります。第2項では、個人情報として「電子メールアドレス」を集めて使うと書かれ、使い道はアカウントを別の端末に引き継ぐときの本人の確認だと説明されています。ところが、規約の第18条では、男女ともに身分証明書で年齢を確かめるとしています。年齢確認のために送った書類の情報をどう扱い、いつまで保管するのかは、プライバシーポリシーの中には書かれていません。
第三者への開示については、法律や裁判所、行政機関の指示に従う場合、運営の権利や財産を守る場合、業務を外部に任せる場合、合併や買収などで事業を移す場合を除いて、本人の承諾なく開示しないとしています。自分の個人情報の照会や修正を求めるときは、本人であることを確かめたうえで、運営の決めた手続きで対応するとされ、窓口はメールです。身分証の画像を送る前に、その扱いを問い合わせで確かめておくのも一つの方法です。
年齢確認の前に「場所や時間」を書くと消される
冒頭で触れた第18条は、年齢確認の目的を、インターネット異性紹介事業を利用した犯罪から子どもを守ることだと説明しています。そのうえで、男女ともに身分証明書による年齢確認をしていると書いています。挙げられている書類のうち健康保険証は今の制度では使えないので、実際には運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなど、手元にある書類で確かめることになるはずです。身分証を送るときの考え方は、年齢確認で身分証を送るのが不安なときにまとめています。
同じ条文には、自己紹介文の監視についての決まりもあります。年齢確認の前に会えてしまうのを防ぐため、自己紹介文に会う場所や時間を書いていると、予告なく載せられなくなったり、削除されたりすることがあるとされています。年齢確認を済ませる前に「今夜〇〇駅で」といった書き方をすると消される、ということです。トップページでは「24時間365日の監視体制」で不適切な書き込みを確認しているとも説明しています。
禁止事項に「ユーザー間の金銭のやり取り」
規約の第7条には、禁止事項が20ほど並んでいます。出会いの場面にかかわるものとして目を引くのは、ユーザーどうしでお金のやり取りをすること、買売春や援助交際などを勧誘すること、営利目的や営業活動を目的にすること、の三つです。お金を介した関係や、商売のための利用は、規約の上ではっきり禁じられています。
ほかにも、個人を特定できるような情報の公開、別の人になりすますこと、同じ人がアカウントを重ねて持つこと、一つのアカウントを複数の人で使うこと、アカウントを譲ったり貸したりすることが禁止されています。会社が禁止事項に当たると判断すれば、利用を止めたり退会させたりでき、削除した理由について問い合わせを受けても、説明する責任は負わないとされています。
並んでいる禁止事項には、出会いのサービスにしては少し意外なものも含まれています。選挙運動やそれに似た行為、公職選挙法に触れる行為、いわゆるねずみ講(無限連鎖講)を開いたり勧誘したりする行為です。ほかに、他人の著作権や肖像権、プライバシーを侵す行為、差別や誹謗中傷、未成年に有害な文章や画像を載せる行為も禁じられています。最後には「その他、当社が不適切と判断した一切の行為」という項目があり、運営が判断の幅を広く持つ書き方になっています。
違反したと判断されたときの扱い
第10条によると、禁止事項に当たる行為を確かめた場合、運営は利用者に知らせずに、その書き込みなどを削除します。第8条では、規約に反すると判断した時点で、事前の通知なく退会させることができ、その場合に利用者に損害が出ても責任は負わないとしています。反対に、利用者の行為で運営に損害が出た場合は、協議のうえで損害賠償を求めるとも書かれています(第8条・第16条)。退会させられたときは料金を返さず、ほかの要請にも一切応じないとされているので、ポイントを多く残したまま規約違反を問われると、そのポイントは戻りません。自分では気づかないうちに禁止事項に触れないよう、プロフィールやメッセージに連絡先や金銭の話を書かないことが大切です。
やり取りの中で、相手からお金の話や、ほかのサイトへの登録を持ちかけられたら、それは規約が禁じている行為に当たる可能性があります。そうした誘いの見分け方は、サクラ・業者の見分け方で、公的な数字とあわせて書いています。
メッセージは30日で消える。問い合わせには画面の控えを
規約の最後の第19条には、見落としやすい決まりがあります。サーバーの容量の都合で、30日以上たったメッセージのデータは自動で削除される、というものです。そして、問い合わせをするときは、メッセージ画面の画像を保存しておき、それを示すよう求めています。
やり取りの中で困ったことが起きても、30日を過ぎると、運営の側にも記録が残っていない可能性があるということです。気になるやり取りがあれば、その場で画面を保存しておくのが自分を守る方法になります。ポイントを買った記録も、支払いの明細とあわせて控えておくと、あとで確かめるときに役立ちます。
料金と退会の手順を、登録の前に見比べておく
LINEで使う出会いのサービスは、どれも登録は手軽ですが、ポイントの期限や退会のしかたはサービスごとに違います。リピアイとスグラブも、LINEで友だちに加えて身分証で年齢を確かめてから使うサービスで、紹介文を見るのと届いた文章を読むのは無料、自分から送るときにメッセージ1通=30PTを使います。新規登録で1,300円分(130PT)が無料で付くので、追加で払う前に使い勝手を確かめられます。
運営は横浜の会社、届出は神奈川警察署、裁判所は東京
特定商取引法に基づく表記によると、Monogramを運営しているのは株式会社もみじで、所在地は神奈川県横浜市神奈川区です。運営責任者の名前も載っています。インターネット異性紹介事業の届出は神奈川警察署で、受理番号は45260013000と表示されています。電気通信事業者の届出番号も書かれています。問い合わせは、マイページからのチャットが基本で、メールと電話の窓口も示されています。電話の受付は平日の11時から18時までです。チャットは24時間受け付けると書かれていますが、規約の第11条には、回答に時間がかかることや、内容によっては回答しないことがあると書かれています。急ぎの用件ほど、送った内容と日時を自分でも控えておくと、あとで行き違いがあったときに確かめやすくなります。
少し変わっているのは、争いになったときの裁判所です。規約の第19条は、訴える金額に応じて東京簡易裁判所か東京地方裁判所を第一審の裁判所にすると定めています。本社は横浜にありますが、裁判は東京で、という決まりです。また、規約の第11条は、利用者が得る情報の正確さや実在性などを一切保証しないとし、利用者どうしや第三者との間で起きた問題には関与せず、責任も負わないとしています。問い合わせへの回答に時間がかかったり、内容によっては回答しなかったりすることも、あらかじめ承諾するよう求めています。
こうした免責の書き方は、出会いのサービスの規約によく見られるものです。ほかのLINE登録型のサービスの規約と比べたいときは、LINEの出会いサービスの規約の比較も参考になります。
Monogramを使う前に、確かめておきたいこと
Monogramは、LINEで登録でき、受け取るのは無料、送るときに30ポイントを使う、という分かりやすい仕組みのサービスです。神奈川警察署への届出の受理番号が示され、年齢確認や自己紹介文の監視についての決まりもあります。その一方で、ポイントの期限は半年で返金は一切なく、クレジットカードの一部は米ドル建てで請求額が最大1割ほど変わることがあり、退会は申請制で、メッセージは30日で消えます。規約に日付がなく、年齢確認の書類に今は使えない健康保険証が残っているなど、文書の手入れが追いついていない部分も見えました。
使うと決めたなら、ポイントは少しずつ買って半年以内に使い切ること、気になるやり取りはその場で画面を保存しておくこと、やめるときはLINEのブロックの前にサポート問合せから退会を申請すること。この三つを押さえておけば、思わぬ出費や行き違いはかなり防げます。トップページの「すぐ会える」という言葉より、規約に書かれた決まりのほうを手がかりに、自分に合うサービスかどうかを、落ち着いて判断してください。
この記事は、2026年11月7日にMonogramの公式サイト(mn82rm.com)に掲載された利用規約、特定商取引法に基づく表記、プライバシーポリシー、トップページを読んで書いたものです。規約には制定・改定の日付が書かれていません。健康保険証の扱いは厚生労働省の公表している内容にもとづきます。料金や規約は変わることがあるので、登録や支払いの前には公式サイトで最新の内容を確かめてください。18歳未満の方と高校生は利用できません。


