App Storeで「PURE」を探すと、日本語のページにはこう書かれています。「チャットして即日すぐ会える出会い系サービス」。説明文も日本語で、写真が表示後すぐに消えることや、スクリーンショットを撮られると通知が届くことが紹介されています。ところが、説明文の最後にある利用規約のリンクを開くと、出てくるのは英語の文書です。公式サイトの言語の切り替えにも、中国語やドイツ語、フランス語などは並んでいますが、日本語はありません。
この記事では、PUREの公式サイトに載っている利用規約(2026年10月5日発効)とプライバシーポリシー、App Storeの日本語の掲載情報を2026年11月6日に読み、日本で使う人が知っておきたい決まりを日本語で整理しました。体の関係を前提にした出会いをうたうアプリが、規約の上で何を約束し、何を約束していないのか。英語の条文を一つずつ見ていきます。
まず、公式の表記で分かる事実
| 運営 | Online Classifieds AG(オンライン・クラシファイズ社) |
|---|---|
| 所在地 | スイス・ツーク州(Baarerstrasse 8, 6300 Zug) |
| 会社の登録番号 | CHE-274.401.166(規約の冒頭に記載) |
| 利用規約の発効日 | 2026年10月5日(それ以前の版は2023年4月から13回) |
| 使える年齢 | 18歳以上 |
| 料金の形 | 週・月・複数月・年の自動更新サブスクリプション。価格は国ごとに違い、アプリ内で表示 |
| App Storeの評価 | 5段階で3.6(341件・2026年11月6日時点・日本のストア) |
| 規約が従う法律 | スイスの法律(利用者の国の消費者法が排除されない範囲で) |
運営のOnline Classifieds AGは、規約によればスイスのツークに本拠を置く会社です。公式サイトの下のほうにも「PURE. Online Classifieds AG, Switzerland」と書かれています。App Storeのデベロッパ名も同じ会社でした。日本の会社が運営しているサービスではない、という点が、このアプリを考えるうえでの出発点になります。
「自分についての広告」を出してから、相手が見える
App Storeの日本語の説明によると、PUREの使い方は少し変わっています。ほかの人の一覧を見るには、まず自分についての「広告」を投稿しなければなりません。してみたい体験を書き、共通の好みがある人を探す、という順番です。プロフィールを整えて相手を眺めるという一般的なアプリとは、入口が逆になっています。
説明文には、秘密を守る仕組みも並んでいます。写真は表示されるとすぐに自動で消え、誰かがスクリーンショットを撮れば通知が届きます。チャットでやり取りした音声や写真は、携帯の写真のフォルダに保存できません。どの都市でも閲覧できるので、旅行先の街の人とつながることもできる、と書かれています。
規約の第10条には、この「広告」の文章をAIに作ってもらう機能のことも書かれています。性別や性的指向、年齢、身長、言語の設定と、自分で入力した文章や声を、第三者のAIの事業者に送って文案を作る仕組みです。使うかどうかは任意で、プライバシーポリシーには、送る前にデータを仮名化すると説明されています。ただし、できた文章の責任は利用者にあり、内容によっては掲載されないこともあると規約は念を押しています。
日本の届出の表示は、見当たらなかった
日本でネットを使って異性と知り合う場を提供する事業者は、出会い系サイト規制法にもとづいて、都道府県の公安委員会へ届け出ることになっています。届出が受理されると受理番号が付き、多くのサービスはサイトの下のほうや特定商取引法の表示に、その番号を載せています。利用者の年齢を確かめることも、同じ法律で事業者に求められています。
PUREの公式サイト、利用規約、プライバシーポリシー、App Storeの日本語の掲載情報を2026年11月6日に確かめたところ、日本の届出の受理番号や、日本向けの特定商取引法の表示は見当たりませんでした。規約の本文にも、日本の法律や日本の利用者だけに向けた条文は出てきません。プライバシーポリシーで日本の名前が出てくるのは、個人データを移す先の国の例として、イスラエルやインド、シンガポールなどと並べて挙げられている一か所だけでした。
これは、PUREが日本の法律にどう向き合っているかを、公開されている文書からは読み取れないということでもあります。届出の有無がなぜ大事なのか、受理番号をどこで確かめるのかは、出会い系の始め方で詳しく書いています。海外の運営のアプリを使うときは、困ったときに日本の窓口がないかもしれない、という前提で考えておくのが無難です。
登録で必ず伝えるのは、性別・性的指向・生年月日
プライバシーポリシーには、アカウントを作るときに集める情報が、必須と任意に分けて書かれています。必須なのは、性別(男性・女性・ノンバイナリー)、性的指向(異性愛・バイセクシュアル・レズビアン・ゲイ・クィア・アセクシュアル)、生年月日です。メールアドレスや、広告の文章、身長、話す言語、性的な好みは任意とされています。名前や電話番号は、必須の項目には入っていません。匿名のまま使えることを前提にした作りだと言えます。
位置の情報は、近くにいる人とつながるために使われます。端末の設定で許可したときだけ使われ、いつでも止められますが、プライバシーポリシーは、ほかの利用者があなたの位置の情報を見ることができ、思わぬ目的に使ったり、知らないところで広めたりするおそれがある、と自ら注意を促しています。そのうえで、共有する情報は自分の責任で、と書かれています。家や職場の近くで位置の情報を出したままにするかどうかは、慎重に考えたほうがよい点です。
自分のデータについては、見せてもらう、直してもらう、消してもらう、使い方を制限してもらう、持ち出すといった権利があると書かれています。ただし、くわしい手続きや苦情の窓口は、ヨーロッパやアメリカの利用者向けの説明が中心で、日本の利用者がどこに申し出ればよいかは、問い合わせのメールのほかには示されていません。
年齢確認は、国や状況によって中身が変わる
規約の第3条は、使える人の条件を並べています。18歳以上であること(その国の法律がもっと上の年齢を求めるなら、その年齢以上)、契約を結ぶ能力があること、そして、重い罪や性犯罪、暴力をともなう罪で有罪になったことがないことです。性犯罪の前歴がある人を利用者の条件から外すと規約に書いているアプリは、それほど多くありません。
年齢の確かめ方は、一律ではありません。規約によると、アメリカのテキサス州やユタ州、ルイジアナ州、ブラジルなど、法律で求められている地域では、アプリストアから届く年齢についての情報を使います。その情報が使えないときや、未成年や偽のアカウントの疑いがあるときなどは、「Veriff」という外部の会社の仕組みで年齢確認を受けることになり、顔の撮影や、必要なら身分証の画像の提出を求められます。日本の利用者が登録の時点で必ず身分証を出す、という書き方にはなっていません。
年齢を理由にアカウントを止められ、それが不当だと思う場合は、問い合わせのメールかアプリの中の窓口から異議を申し立てられると第13条に書かれています。その際は、自分の顔写真や、生年月日の分かる有効な身分証の画像を出して、年齢と規約を守っていることを示すよう求められます。ほかの人の写真を使ったなりすましが疑われるときにも、同じように身分証を求めることがあるとされています。登録は匿名でできても、問題が起きたときには身元を示す書類が必要になる、という作りです。
身分証で年齢を確かめる仕組みと、送るときの考え方は、年齢確認で身分証を送るのが不安なときにまとめています。年齢確認が必須でない場では、相手が18歳以上かどうかを自分で気にかける場面が出てくる、ということも覚えておいてください。
禁じられているのは「性的な行為とお金の交換」
体の関係を前提にした出会いをうたうアプリでも、何をしてもよいわけではありません。規約の第6条は、禁止事項を細かく並べています。その中には、性的な行為や性的なコンテンツと引き換えにお金などをやり取りすることを勧めたり、仲立ちしたりすることがはっきり含まれています。お金を目当てにした詐欺や、利益のために規約の決まりをすり抜けようとすることも禁止です。
新しい技術に合わせた禁止事項もあります。AIで作った画像や、実在の人を写していない画像、自分の見た目を偽るように加工した写真を載せることは禁じられています。アバターや肖像画、ディープフェイクも例として挙げられています。ほかの利用者の本名や住所、電話番号、勤め先、私的な画像を、本人の同意なく、嫌がらせや脅しの目的で広めることも禁止です。位置の情報を使ってつきまとったり、脅したりすることも名指しで禁じられています。
こうした決まりに反したと会社が判断すれば、予告なくアカウントを止められることがあると第13条に書かれています。犯罪の疑いで捜査を受けている場合など、アプリの外での出来事を理由に止められることもあるとされています。
顔写真の認証は任意。生体データは最長12か月残る
規約の第8条には、写真の認証という機能があります。プロフィールの写真が本人の今の顔と一致しているかを、カメラで撮った顔と照らし合わせて確かめ、一致すれば認証の印が付く仕組みです。使うかどうかは任意で、認証は本人の身元を確かめるものではなく、あくまで写真と顔の一致を示すだけだと規約は説明しています。照合が完全に正確とは限らないことも書かれています。
この照合では、顔の特徴という生体のデータが扱われます。プライバシーポリシーによると、認証に失敗した場合や、認証のあとで写真を変えて認証をやり直さなかった場合、生体データは3週間後に消されます。認証の印を持っている間は、顔を撮ってから最長12か月保存され、そのあとは認証をやり直す必要があります。アカウントが利用停止になっても、この保存の期間は変わらないとされています。アカウントを消せば、生体データも消されると書かれています。
会う日のための「Safety Signal」
規約の第9条にある「Safety Signal」は、実際に会うときのための安全の機能です。使うと、信頼できる知人に、パスコードで守られた期限つきのリンクを渡せます。知人はそのリンクから、利用者の地図上の位置と最後に位置が更新された時刻、会う相手のニックネームや公開している写真、残りの時間を見られます。知人がPUREの会員である必要はありません。
機能を使い始めると、会う相手にも通知が届きます。相手に隠れて身を守るというより、「誰かに見守ってもらっている」と相手にも伝わる形です。規約は、この機能はあくまで補助で、自分の判断や緊急の通報の代わりにはならないとしたうえで、初めて会うときは人の多い場所で会う、予定を知人に伝える、電話の充電を切らさない、帰りの交通手段を自分で用意する、といった注意を並べています。
料金はサブスク。返金は原則なし
規約の第11条によると、PUREのすべての機能を使うには、サブスクリプションの申し込みが必要です。期間は週・月・数か月・年から選び、期間が終わると同じ長さで自動的に更新されます。更新を止めたいときは、期間が終わる24時間前までに解約しなければなりません。解約しても、その期間の終わりまでは使えます。App Storeの説明によると、価格は国によって違い、アプリの中で表示されます。
注意したいのは、規約に書かれたもの以外の支払いは最終的なもので、返金されないとされている点です。無料のお試し期間がある場合も、終わる前に止めなければ、そのまま有料のサブスクリプションに切り替わります。割引の条件や価格は、予告なく変わることがあるとも書かれています。iPhoneで申し込んだ場合、自動更新の停止はApp Storeの設定から行います。
App Storeの日本のレビューには、東京の中心にいても近くに相手が表示されなかった、という数年前の声も残っていました。それに対して運営側が、利用者が増えるまでの間、無料のサブスクリプションを用意すると返答しているものもあります。日本での利用者の多さは、公式の文書からは分かりません。週単位の短いプランがあるなら、まず短い期間で、自分の住む街にどのくらい相手がいるかを確かめてから考えるのが無理のない順番です。
日本の会社が運営する、LINEで始める出会いと比べてみる
規約が英語だけで、争いになればスイスの裁判所という形に不安があるなら、日本語の窓口で使える出会いのサービスを並べて比べてみるのも一つの方法です。リピアイとスグラブは、LINEで友だちに加え、身分証で年齢を確かめてから使うサービスで、料金は月ごとの定額ではなく、送ったときにだけ減るポイントの形です。紹介文を眺めるのも届いた文章を開くのも無料で、こちらから送るときにメッセージ1通=30PT。新規登録で1,300円分(130PT)が無料で付くので、自動更新の心配をせずに試せます。
退会の手順と、規約の中の小さなずれ
アカウントをやめるときの手順は、規約の第13条に書かれています。サブスクリプションを解約し、アプリの設定画面の「My Account/ID」からアカウントを削除する、という流れです。サブスクリプションの解約を忘れてアカウントだけ消すと、ストア側の自動更新が残るおそれがあるので、順番は守っておきたいところです。
この条文には、細かいずれが一つありました。サブスクリプションの解約について「第8条で説明したとおり」と書かれているのですが、今の規約の第8条は写真の認証の条文で、サブスクリプションの決まりは第11条にあります。条文の番号を入れ替えたときに、参照の番号が直されずに残ったものと考えられます。使う側が困るほどのずれではありませんが、英語の規約を読むときは、番号だけを頼りにせず、中身を確かめながら読むほうが確実です。
使わずに放っておいた場合の決まりもあります。730日続けてログインせず、有効なサブスクリプションや使っていない購入分もない場合、アカウントは休眠とみなされ、削除の予定を知らせるメールが届きます。知らせを受けてから1週間以内にログインしなければ、アカウントとデータは消されます。ただし、法律や会計のために残すことが認められた一部のデータは除かれます。
争いになったら、スイスの法律と裁判所
規約の第23条によると、この契約はスイスの法律に従います。ただし、利用者が住む国の消費者を守る法律が排除されない範囲で、という断り書きがあります。第24条は、契約にかかわる争いは、法律で認められる範囲で、会社の本拠地の通常の裁判所が扱うとしています。日本で使っている人が会社と争うことになれば、遠いスイスの裁判所が前提になる、ということです。
会社が負う責任の上限も決められています。第15条によると、法律で認められる範囲で、会社の責任の合計は、請求の直前12か月の間に利用者がPUREに払った金額を超えないとされています。位置の情報の扱いや、写真の認証、ほかの利用者とのやり取りから生じた間接的な損害については、責任を負わないとも書かれています。ほかの利用者と会って起きたことは、基本的に自分で引き受けることになると考えておくべきでしょう。
PUREを使う前に、確かめておきたい三つのこと
PUREは、体の関係を前提にした出会いを正面からうたい、写真が消える仕組みや、会う日の見守りの機能など、ほかのアプリにはない工夫を持ったサービスです。性的な行為とお金の交換や、AIで作った写真を禁じるなど、規約の決まりもはっきりしています。その一方で、運営はスイスの会社で、規約は英語だけ、日本の届出の表示は見当たらず、争いになればスイスの法律と裁判所が前提になります。
使う前に確かめておきたいのは、まず、自動更新のサブスクリプションをいつ、どこで止めるのか。次に、自分の住む街に、実際に相手がどのくらいいるのか。そして、困ったときに日本語で頼れる窓口がないかもしれないことを、自分が受け入れられるかどうかです。この三つに納得できたうえで使うなら、PUREの仕組みは、気軽な出会いを探す人にとって一つの選択肢になります。どれか一つでも引っかかるなら、日本の運営で、日本語の決まりが読めるサービスから始めるほうが、遠回りに見えて安心です。
この記事は、2026年11月6日にPUREの公式サイト(pure.app)に掲載された利用規約(2026年10月5日発効)、プライバシーポリシー、App Storeの日本語の掲載情報を読んで書いたものです。英語の条文は編集部で日本語に要約しています。料金や規約は改定されることがあるので、登録や支払いの前には、公式サイトとアプリで最新の内容を確かめてください。18歳未満の方は利用できません。


