香川県は、全国でいちばん面積の小さい県です。県の人口の半分近くが高松市に集まり、暮らしの中心がはっきりしています。その一方で、瀬戸大橋で岡山とつながり、瀬戸内海には人の住む島がいくつも浮かんでいます。小さな県ですが、相手がどこに住んでいるかで、会い方はかなり変わります。
この記事では、令和7年国勢調査の確定値(2026年9月29日公表)、令和2年国勢調査の通勤・通学の集計、鉄道会社や芸術祭の実行委員会の発表などをもとに、香川で相手を探すときに知っておきたいことを整理しました。まずは、香川の暮らしを数字で並べてみます。
| 県の人口 | 906,828人(令和7年国勢調査の確定値・5年前より43,416人減) |
|---|---|
| 高松市の人口 | 406,893人(県の人口の約45%) |
| 県外へ通う人 | 10,017人(県の人口の1.1%・令和2年) |
| 昼夜間人口比率 | 100.1(全国10位・令和2年) |
| 自家用車 | 1世帯あたり1.311台(全国23位・令和7年3月末) |
| 岡山まで | 快速マリンライナーで約55分 |
県外へ通う人は1.1%:香川は「県の中で暮らす」県
香川の暮らしを考えるうえで、まず知っておきたいのが、県の外へ通う人の少なさです。令和2年国勢調査の集計によると、香川県に住んで県外へ通勤・通学している人は10,017人で、県の人口の1.1%にすぎません。同じ集計で見ると、滋賀県は7.1%、和歌山県は4.0%、三重県は3.6%でした。大都市の隣にある県と比べると、香川の人は、ほとんどが県の中で働き、学び、暮らしています。
昼と夜の人口の比率も、この傾向を裏づけています。香川県の昼夜間人口比率は100.1で、全国10位です。昼の人口が夜の人口をわずかに上回っているということで、県外へ出ていく人より、県外から働きに来る人のほうが少し多いことを示しています。
出会いの場で言えば、香川で知り合う相手は、県内で生活が完結している人が多いということです。仕事帰りに会うなら、相手の職場も自宅も県内にあることがほとんどで、会う場所は高松の中心か、相手の生活圏の近くになります。大阪や岡山へ毎日通っている人と知り合う、というケースは多くありません。
そのぶん、狭い範囲で知り合いに会う心配は大きくなります。県の人口の半分近くが高松市に住んでいるので、高松で会えば、職場や近所の人と顔を合わせる可能性はどうしても出てきます。人目が気になるなら、あえて生活圏から少し離れた場所を選ぶ、という考え方も必要です。
高松市に、県民のおよそ半分が住んでいる
2026年9月29日に公表された令和7年国勢調査の確定値で、令和7年10月1日の香川県の人口は906,828人でした。5年前の令和2年の調査から43,416人、率にして4.57%減っています。県内の17市町すべてで人口が減りました。一方で世帯数は411,088世帯と5年前より4,103世帯増え、1世帯あたりの人数は約2.21人まで小さくなりました。一人や二人で暮らす世帯が増えているということです。
全国で見ると、確定値で人口が増えたのは東京都だけで、ほかの46道府県はすべて減りました。春の速報では沖縄県もわずかに増えていましたが、確定値では減少に変わっています。香川県の減り方は、減少率の低い順に並べて全国26位と、ちょうど真ん中あたりです。ほかの県の減り方が大きかったため、人口の順位は前回の39位から38位に一つ上がりました。人口が減っているのは香川だけの話ではなく、全国の流れの中にあるということです。
市町ごとに見ると、高松市が406,893人でいちばん多く、次いで丸亀市の106,687人、三豊市の56,254人と続きます。高松市だけで県の人口の約45%を占めていて、二番目の丸亀市とのあいだには4倍近い差があります。高松市の人口も5年で10,603人減りましたが、県の中心であることは変わりません。減った人数そのものは県内で最も多いものの、もともとの人口が大きいため、減った割合は島や県の端の町よりずっと小さくなっています。
減り方が大きいのは、島と県の東西の端です。小豆島の土庄町は11.06%減、東かがわ市は10.53%減、こんぴらさんのある琴平町は10.05%減でした。県内でいちばん人口の少ない直島町は2,931人で、芸術祭の主な会場の一つでもあります。
県で二番目の丸亀市から高松までは、JR予讃線の快速サンポート南風リレー号で25分ほどです。丸亀や坂出、宇多津に住む人にとって、高松は仕事帰りにも寄れる距離にあります。ただ、高松まで出ずに、丸亀の駅の周りや宇多津の周りで会えば、帰りの時間を気にせずに済みます。相手が県の西のほうに住んでいるなら、会う場所を高松に決め打ちせず、中間の駅も候補に入れて話し合うとよいでしょう。
この数字から言えるのは、香川で相手を探すと、近くにいる人の多くが高松市とその周りに集まっているということです。丸亀や坂出、観音寺など西のほうに住んでいる人は、高松まで出るか、生活圏の中で会う場所を探すかを考えることになります。県の東の端や島に住んでいるなら、近くの相手は限られるので、高松まで出ることを前提に考えるほうが話が進みます。
夜の中心は、古馬場とライオン通
高松で夜に人が集まるのは、JR高松駅から南へ歩いて15分ほどのあたりです。中心になるのが、古馬場町の飲み屋街と、そのそばを南北に延びるライオン通商店街です。ライオン通は、三越の近くの片原町商店街から国道11号まで、およそ500メートル続くアーケード街で、居酒屋や飲食店が軒を連ねています。古馬場町の周りは、四国でも有数の歓楽街として知られています。
ライオン通は、高松中央商店街と呼ばれる八つの商店街の一つです。兵庫町、片原町の東と西、ライオン通、丸亀町、南新町、常磐町、田町の商店街がつながり、アーケードの下を歩いて移動できるようになっています。雨の日でも濡れずに歩けるので、待ち合わせのあとに店を探すのも難しくありません。
注意したいのは、JR高松駅の前は夜の街ではないということです。駅の周りはサンポートと呼ばれる港の再開発地区で、ホテルや高層ビルが並びますが、飲み屋が集まっているのはもっと南です。JRで来る相手と会うなら、駅で待ち合わせてから南へ歩くか、最初からことでんで瓦町まで来てもらうか、どちらかに決めておくとよいでしょう。
駅の北側には、2025年2月24日に県立アリーナ(あなぶきアリーナ香川)が開館しました。JR高松駅やことでんの高松築港駅から歩いて4分ほどの場所で、メインアリーナには最大1万人が入ります。コンサートや試合のある日は、駅の周りや帰りの電車が混み合います。相手と高松駅の近くで会うなら、その日にアリーナで催しがないかを確かめておくと、待ち合わせで人の波に巻き込まれずに済みます。
瓦町は、ことでんの三つの路線が交わる駅
高松の中で動くときに便利なのが、ことでん(高松琴平電気鉄道)です。ことでんには、琴平へ向かう琴平線、長尾へ向かう長尾線、志度へ向かう志度線の三つの路線があり、そのすべてが瓦町駅で交わります。高松築港から片原町、瓦町までは、琴平線と長尾線のどちらにも乗れます。
瓦町駅から古馬場やライオン通までは、歩いて10分ほどです。ことでんの沿線に住んでいる相手なら、瓦町を待ち合わせの場所にすると、乗り換えなしで来てもらえることが多くなります。JR高松駅より、瓦町のほうが夜の街に近いということも覚えておくと便利です。
ただし、香川は車の県でもあります。令和7年3月末の自家用乗用車は593,302台で、1世帯あたり1.311台、全国で23番目です。高松の中心から離れた郊外や、丸亀、観音寺のほうに住んでいる人は、ふだん車で動いていることがほとんどです。相手が車で来るなら、会う場所は中心の商店街より、駐車場を探しやすい郊外の店になることもあります。
ことでんで来る人と、ハンドルを握って来る人とでは、前もって話しておく中身が変わります。ことでんやJRで来るなら、帰りの最終に間に合う時刻。車で来るなら、停める場所と、お酒を飲むかどうか。最初のやりとりで、相手がどちらで来るのかを聞いておくと、会う場所を決めやすくなります。
岡山まで55分:瀬戸大橋の向こうの相手
香川で出会いを探していると、岡山の人と知り合うことがあります。高松と岡山のあいだは、JRの快速マリンライナーで約55分です。日中は30分おきに走っていて、瀬戸大橋を渡って海を越える移動が、ふだんの電車の感覚でできます。
県外へ通う人は少なくても、岡山は香川の人にとって身近な「県外」です。岡山駅の周りは、高松の中心より大きな街で、買い物や遊びに出かける人もいます。岡山の相手と会うなら、どちらかの駅の近くで会うか、瀬戸大橋線の途中の駅を選ぶかを話し合っておくとよいでしょう。坂出や宇多津は、高松より岡山に近い側にあるので、お互いの中間として使いやすい位置です。
岡山側の事情は、岡山の記事にまとめています。広島まで足を延ばす相手なら、広島の記事も参考になります。四国のほかの県とのつながりは、高知・四国の記事で触れています。
島の相手と、瀬戸内国際芸術祭の年
香川には、人の住む島が多くあります。小豆島や直島、豊島などの島に住む人と知り合った場合、会うためには船に乗ることになります。本土の相手と会うのとは違い、船の最終便の時間が、会える時間を決めます。島の人と約束するなら、まず船の時間を一緒に確かめるところから始めるとよいでしょう。
島への人の流れを大きく変えるのが、3年に一度開かれる瀬戸内国際芸術祭です。実行委員会の発表によると、2025年の芸術祭の来場者は延べ1,084,128人でした。前回の2022年の1.5倍に増え、2019年の1,178,484人に次ぐ多さでした。会場別では、直島が338,459人で最も多く、豊島が145,364人、小豆島が140,121人と続きます。
島の人口を見ると、芸術祭の規模の大きさがわかります。小豆島の土庄町は5年で11.09%減り、県内で最も減り方が大きい町でした。人が減り続ける島に、芸術祭の年だけは大勢の人が押し寄せる、という形です。島で暮らす人と知り合うなら、この落差を知っておくと、相手の日常を想像しやすくなります。
人口2,931人の直島に、会期中は延べ33万人を超える人が訪れた計算です。芸術祭の年は、島への船も高松港の周りも混み合います。島に住む人にとっては、観光客の対応で忙しい時期でもあります。島の相手と会う約束をするなら、芸術祭の会期や、観光の混む週末を避けられるかを先に聞いておくと確実です。
県の外から来る人:県外の観光客は973万人
香川で暮らす人が県の外へあまり出ない一方で、県の外から香川を訪れる人は増えています。県の観光客動態調査によると、令和7年に県外から香川を訪れた観光客は9,734千人で、前の年より5.1%増え、4年続けて増えました。これは、瀬戸大橋が開通した昭和63年の1,035万人に次いで、過去2番目の多さです。県は、増えた理由として、円安や高松空港の国際線の増便による外国人の増加、県立アリーナの開業、瀬戸内国際芸術祭2025の開催を挙げています。
空の玄関口も過去最多を記録しています。高松空港の2024年度の利用者は2,111,570人で、前の年度より15.7%増え、コロナ前を上回りました。とくに国際線の定期便の利用者は478,819人と、前の年度の約1.9倍になりました。路線別では、ソウル線が207,882人で最も多くなっています。
出張や旅行で香川に来ている人と、出会いの場で知り合うこともあるでしょう。高松の中心には、県外から来た人が泊まるホテルも多くあります。ただ、旅行や出張の相手とは、会えるのが滞在中の一度か二度になりがちです。続く関係を望むなら、相手が香川に住んでいるのか、一時的に来ているのかを、早いうちに確かめておくと行き違いが起きません。
四国の中の香川:徳島へ1時間10分、松山へ2時間半
香川は、四国の玄関口でもあります。高松駅からは、四国のほかの県へ向かう特急が出ています。徳島へは特急うずしおで1時間10分前後、松山へは特急いしづちで約2時間半です。どちらもおおむね1時間に1本の間隔で走っています。
この距離感は、出会いの場でも意味を持ちます。四国の四つの県庁所在地のうち、高松からいちばん近いのは徳島で、いちばん遠いのは高知や松山の方面です。徳島の相手なら、仕事のあとに会うのは難しくても、休みの日なら日帰りで会える距離です。松山の相手となると、片道2時間半かかるので、会うのは週末に限られるでしょう。四国の中で相手を探すときは、県の名前より、特急で何時間かかるかで考えるほうが現実に合っています。
高松と岡山がマリンライナーで約55分であることを考えると、高松に住む人にとっては、四国の中の松山より、海の向こうの岡山のほうが近いことになります。相手の住む街までの時間を、県境ではなく電車の時間で測ってみると、会いやすい相手の範囲がはっきりします。同じ「四国の人」でも、住む街によって会いやすさはまるで違うのです。
香川で相手を探した人から聞かれる声(よくある声の再構成)
※以下は、香川で相手を探した人から聞かれがちな声を、要点が伝わるよう編集部で組み立て直したものです。特定の個人の投稿ではありません。
香川県・高松市/30代・会社員★★★★★
相手はことでんの沿線の人だったので、瓦町で待ち合わせた。そこから古馬場まで歩いてすぐで、JRの駅で会うより話が早かった。
香川県・高松市/40代・公務員★★★★★
高松は狭いので、中心の商店街だと知り合いに会いそうで落ち着かない。相手と相談して、少し離れた郊外の店にしたら気楽に話せた。
香川県・丸亀市/30代・技術職★★★★★
相手は岡山の人。高松まで来てもらうより、瀬戸大橋線で宇多津に来てもらうほうがお互いに楽だった。帰りのマリンライナーの時間も合わせやすい。
香川県・観音寺市/40代・自営業★★★★★
相手も車の人だったので、中心の商店街ではなく駐車場のある店で会った。停める場所を先に決めておいたので迷わなかった。
香川県・小豆島町/30代・会社員★★★★★
高松の人と会うときは、帰りの船の最終に合わせて時間を決めている。相手も事情をわかってくれたので、無理のない約束ができた。
香川県・直島町/40代・自営業★★★★★
芸術祭の会期中は仕事が忙しくて、とても会う余裕がない。終わってから会う約束にしたら、ゆっくり話せた。
香川で会う前に聞かれること、答えておきたいこと
最後に、香川で相手と会う前によく出てくる疑問を、ここまでの内容からまとめます。
高松で会うなら、どの駅で待ち合わせればいい?
夜に古馬場やライオン通のあたりで会うなら、JR高松駅より、ことでんの瓦町駅のほうが近くて便利です。JRで来る相手なら高松駅で待ち合わせてから南へ歩くか、ことでんに乗り換えて瓦町まで来てもらいます。どちらにするかは、最初のやりとりで決めておきましょう。
知り合いに会うのが心配なときは?
香川は小さな県で、県の人口の半分近くが高松市に住んでいます。中心の商店街は人目が多いので、気になるなら郊外の店や、生活圏から少し離れた場所を選ぶのが現実的です。車で会うなら、選べる場所の幅は広がります。
岡山の相手と会うなら、どこが便利?
高松と岡山はマリンライナーで約55分です。どちらかの駅の近くで会うほか、坂出や宇多津のような瀬戸大橋線の途中の駅を選べば、お互いの移動を短くできます。
丸亀や観音寺の相手とは、どこで会えばいい?
丸亀から高松までは快速で25分ほどなので、高松まで出てきてもらうこともできます。ただ、観音寺のように県の西の端に住む人は、ふだん車で動いていることが多く、高松までの移動は負担になりがちです。相手の住む街と、ふだんの移動手段を聞いたうえで、丸亀や宇多津の周り、あるいは郊外の店で会う方法も考えてみてください。
島に住む相手と会うときの注意は?
船の最終便の時間が、会える時間を決めます。瀬戸内国際芸術祭の年や観光の混む時期は、船も港も混み合い、島の人も忙しくなります。まず船の時間と、相手の忙しい時期を聞いておくことが大切です。
香川は、小さくまとまった県でありながら、高松の中心、郊外の車の暮らし、瀬戸大橋の向こうの岡山、そして島という、いくつもの顔を持っています。相手がどの顔の香川に住んでいるのかを最初に知るだけで、会う約束はずっと組みやすくなります。ほかの地域の事情は、地域別の出会いのまとめから探せます。
※本記事は18歳以上の成人を対象にしています。人口は令和7年国勢調査の確定値(総務省統計局・2026年9月29日公表)、通勤・通学と昼夜間人口比率は令和2年国勢調査の集計、自家用乗用車の台数は自動車検査登録情報協会の集計、芸術祭の来場者数は瀬戸内国際芸術祭実行委員会の発表、観光客数は香川県観光客動態調査、空港の利用者数は高松空港の発表、鉄道の所要時間は2026年9月時点の目安にもとづき、2026年9月30日と10月4日に確認したものです。


