売春防止法の第2条は、「売春」を次のように定めています。「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」。お金などの見返りがあること、そして相手が特定の人ではないこと。この二つがそろったとき、法律の上では売春になります。
風俗とセフレの違いを考えるとき、多くの記事は「お金がかかるかどうか」や「気持ちがあるかどうか」から話を始めます。けれども、その前に、法律がどこに線を引いているのかを知っておくと、二つの違いはずっとはっきり見えてきます。この記事では、売春防止法と風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の条文、そして警察庁が公表している令和7年の統計から、風俗とセフレがそれぞれどんなもので、どこが違うのかを整理します。どちらが良い悪いを決める記事ではありません。自分が何を求めているのかに合わせて、選ぶための材料をそろえることが目的です。
法律が引いている線
売春防止法の第3条は、「何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない」と定めています。売春をすることも、その相手になることも、法律で禁じられています。ただし、この第3条そのものには罰則がついていません。罰せられるのは、第5条の勧誘などや、売春の周旋、売春をさせる契約、場所の提供といった、売春を広げたり、それで利益を得たりする行為です。
第5条の勧誘には、公衆の目に触れる方法で人を売春の相手になるように勧誘すること、道路などで人につきまとうこと、広告などで人を売春の相手方になるように誘うことが挙げられ、拘禁刑または罰金が定められています。インターネットの掲示板やSNSで、お金と引き換えの性交を持ちかける書き込みは、この「広告その他これに類似する方法」による誘いにあたりえます。
では、セフレはどうでしょうか。セフレは、特定の相手と、お金のやりとりなしに体の関係を続けるものです。相手が特定の人であり、対償もないので、売春の定義には当たりません。お互いに合意した大人どうしの関係であれば、法律がそこに立ち入ることはありません。ただし、関係の中にお金が入ってくると、話は変わってきます。この点は、あとでくわしく見ます。
もう一つ、年齢の線も忘れてはいけません。出会い系サイト規制法の第6条は、インターネット異性紹介事業を利用して、18歳未満の児童を性交などの相手方になるように誘うことや、対償を示して児童を異性交際の相手方になるように誘うことを、だれに対しても禁じています。出会いのサービスで年齢確認が義務づけられているのは、この線を守るためです。セフレの相手を探すときは、年齢確認を通った相手とだけやりとりをしてください。18歳になっていても高校生は使えない、と規約で定めているサービスもあります。
風俗は、届け出をした営業
一方、いわゆる風俗は、風営法の上では「性風俗関連特殊営業」と呼ばれ、営業を始める前に公安委員会に届け出ることが義務づけられています。風営法の第2条は、これをいくつかの種類に分けています。
「店舗型性風俗特殊営業」は、店を構えて営業するもので、浴場の個室で異性の客に接触する役務を提供する営業(いわゆるソープランド)、個室で客の性的好奇心に応じて接触する役務を提供する営業(店舗型のファッションヘルス)、ストリップ劇場、ラブホテル、アダルトショップなどが含まれます。「無店舗型性風俗特殊営業」は、店を持たずに、客の依頼を受けて人を住居や宿泊施設に派遣する営業で、いわゆるデリバリーヘルスがこれにあたります。そして「映像送信型性風俗特殊営業」は、インターネットなどを通じて性的な映像を客に見せる営業です。
風俗は、こうした届け出のもとで営まれる「営業」であり、店と客との間で、お金と引き換えにサービスを受ける関係です。セフレが個人どうしの関係であるのとは、ここが根本的に違います。
数字で見る、令和7年の風俗
警察庁生活安全局保安課の「令和7年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯等の取締り状況について」によると、令和7年末の性風俗関連特殊営業の届出数は、34,861件でした。令和3年末の32,349件から、4年で2,512件増えています。
| 種類(令和7年末) | 届出数(令和3年末からの変化) |
|---|---|
| 性風俗関連特殊営業 全体 | 34,861件(32,349件から増加) |
| 派遣型ファッションヘルス等 | 21,353件(20,674件から増加) |
| ソープランド等 | 1,180件(1,185件) |
| 店舗型ファッションヘルス等 | 640件(707件から減少) |
| 映像送信型性風俗特殊営業 | 5,449件(2,935件から1.86倍) |
いちばん多いのは、派遣型ファッションヘルス等で、21,353件。全体の6割を占めています。店を構えるソープランド等の1,180件、店舗型ファッションヘルス等の640件と比べると、桁がひとつ違います。風俗の中心は、店に行くものから、ホテルや自宅に呼ぶものへと移っていることが、届出の数から分かります。派遣型は令和3年末から4年で679件増えたのに対して、店舗型ファッションヘルス等は67件減りました。届出の上では、呼ぶ形が増え、行く形が減る、という流れがはっきりしています。
伸び方がいちばん大きいのは、映像送信型です。令和3年末の2,935件から令和7年末の5,449件へ、4年で1.86倍になりました。人と直接会わずに、画面ごしに性的なサービスを受ける形が、急速に広がっていることを示しています。4年で2,514件増え、届出の数ではソープランド等と店舗型ファッションヘルス等を合わせた数の3倍近くになりました。
同じ資料では、売春防止法違反の検挙が、令和7年に347件、332人でした。そのうち、インターネットを利用したものは90件です。主な検挙事例として、性風俗店の個室を、売春が行われると知りながら提供していた事件などが挙げられています。届け出をした店の中にも、法律の線を越えているところがあり、それが取り締まりの対象になっている、ということです。
店を構える形と、出会いの場の形は減っている
店舗型の性風俗特殊営業は、令和3年末の7,215件から令和7年末の6,474件へ、4年で741件減りました。ラブホテル等は5,042件から4,425件へ、店舗型ファッションヘルス等は707件から640件へ減っています。出会いの場として知られてきた形も、数を減らしています。「出会い系喫茶等」は66件から52件へ、テレホンクラブなどの電話異性紹介営業は178件から146件へ減りました。
人と出会う場所としての店が減る一方で、人を派遣する形と、画面ごしの形が増えている。届出の数の動きは、性に関わる営業が、店からインターネットとスマートフォンの側へ移っていることを示しています。個人どうしが出会う手段も、同じようにスマートフォンの中へ移ってきました。出会いのサービスとセフレの関係が、今の形になってきた背景には、こうした流れがあります。
取り締まりの中身
令和7年の売春防止法違反347件のうち、最も多いのは勧誘等の200件で、周旋等が45件、場所の提供等が45件、売春をさせる契約が45件でした。インターネットを利用した売春防止法違反は、令和3年の240件から、令和7年の90件へ減っています。ただし、これは検挙された件数で、ネット上の誘いそのものが減ったかどうかまでは、この数字からは分かりません。出会いのサービスやSNSで、お金と引き換えの関係を持ちかけられたら、相手にせず、通報の機能を使うのが安全です。
お金:払うか、払わないか
風俗とセフレのいちばん分かりやすい違いは、お金です。風俗は、一回ごとにサービスの料金を払います。払った分のサービスを受けて、それで関係は終わります。次に会うときも、また料金を払います。
セフレには、料金がありません。会うたびにかかるのは、食事やホテルの費用くらいで、それもどちらが払うか、割り勘にするかは二人で決めます。そのかわり、関係を作るまでには、相手を探し、やりとりを重ね、信頼を作るという時間がかかります。出会いのサービスを使うなら、メッセージを送るためのポイントにお金がかかることもあります。
気をつけたいのは、セフレの関係にお金が入りこむ場合です。会うたびに「お小遣い」や「お手当」を渡す関係は、相手が決まった一人であっても、関係の性格を変えます。お金を受け取る側は、相手を一人に限らず、同じような関係を何人かと持つこともあります。そうなると、法律の上でも、関係の上でも、セフレとは違うものになっていきます。お金と体の関係が結びつく「割り切り」と法律の線については、割り切りの意味と売春防止法の線をまとめた記事で、パパ活との違いはパパ活と出会い系の違いの記事で、くわしく扱っています。
関係:サービスか、二人の約束か
風俗で会う相手は、仕事として客を迎えています。決められた時間の中で、決められたサービスを提供し、時間が来れば終わります。客の側は、相手の気持ちや予定を気にする必要がありません。会いたいときに予約をすれば会え、気が向かなければ予約をしなければいいだけです。この気軽さは、風俗の大きな特徴です。
セフレは、二人の約束で成り立つ関係です。会う日を決めるには、お互いの予定を合わせる必要があります。相手にも仕事や家庭の事情があり、こちらの都合だけでは会えません。連絡の頻度や、会うときの決まりごとも、二人で話し合って決めていきます。面倒に思えるかもしれませんが、その手間があるからこそ、同じ相手と会い続けることで、お互いの好みが分かり、関係が深まっていきます。セフレの関係を長く続けるための取り決めは、長続きのコツの記事にまとめています。
また、風俗では、相手に何を求めてよいかが、店の決まりではっきりしています。セフレの場合は、それを二人で一つずつ確かめていく必要があります。相手が嫌がることをしない、避妊の方法を話し合う、関係を続けるかどうかを定期的に確かめる。こうしたことを自分たちで決めていくのが、セフレという関係です。
気持ち:入りこむのは、セフレのほう
風俗では、相手は仕事として接しているので、客の側が気持ちを深めても、関係がそれ以上に進むことは基本的にありません。そのぶん、心の面での行き違いは起きにくいと言えます。
セフレでは、会い続けるうちに、どちらかが相手を好きになることがあります。体だけの関係のつもりで始めても、同じ相手と何度も会えば、気持ちが動くのは自然なことです。片方だけが恋人になりたいと思い始めると、関係は難しくなります。始めるときに、お互いがどんな関係を望んでいるのかを話しておくこと、そして気持ちが変わったら正直に伝えることが、セフレの関係を壊さないための基本です。関係の区切り方については、セフレの終わらせ方の記事にまとめています。
健康:どちらにも、病気の心配はある
性感染症の心配は、風俗にもセフレにもあります。風俗は不特定多数の客と接する仕事です。一方、セフレは相手が一人に決まっていても、その相手がほかの人とも関係を持っていれば、同じように病気をもらう可能性があります。
どちらを選ぶにしても、コンドームを使うこと、気になる症状があればすぐに検査を受けることは変わりません。保健所では、匿名で無料の検査を受けられるところが多くあります。性感染症の今の数字と、検査の受け方は、性病・性感染症の検査の記事で整理しています。セフレの場合は、関係を始めるときに、お互いに検査を受けてから、という約束をしておくと、安心して関係を続けられます。
知られたくないとき:残るものが違う
家族や職場に知られたくない人にとって、風俗とセフレでは、気をつけるところが違います。風俗では、支払いの記録や、店からの連絡、会員カードのようなものが、手元に残ります。カードで払えば明細に店の名前や運営会社の名前が載ることがありますし、予約のための電話やメッセージの履歴も残ります。
セフレでは、相手とのやりとりそのものが、いちばんの手がかりになります。出会いのサービスの画面、LINEのトーク、写真。相手の名前で登録した連絡先が家族の目に触れることもあります。どちらの場合も、通知の表示を変える、履歴をこまめに確かめる、といった自分の側の工夫が欠かせません。家族や職場にばれないための考え方は、身バレ対策の記事で詳しく扱っています。
画面ごしの営業と、セフレとの撮影
映像送信型の営業が増えていることは、性的な映像がやりとりされる場面が増えていることでもあります。セフレとの関係でも、写真や動画を撮りたいと考える人はいますが、相手の同意のない撮影や、撮った映像を相手の同意なく人に見せることは、法律で罰せられることがあります。撮影についての法律の線は、セフレと写真・動画の記事で整理しています。
時間と手間:今夜か、続く関係か
風俗のよいところは、思い立ったその日に利用できることです。派遣型なら、ホテルや自宅にいながら予約ができ、移動の手間もかかりません。今夜、誰かと過ごしたいという気持ちに、すぐに応えてくれます。
セフレは、思い立ってすぐにできるものではありません。出会いのサービスで相手を探し、やりとりを重ね、会って、お互いに続けたいと思えるかを確かめる。ここまでに、数週間から数か月かかることも珍しくありません。そのかわり、一度関係ができれば、同じ相手と、お金を払わずに、気持ちのこもった時間を何度も過ごせます。
どちらがよいかは、自分が今、何を求めているかで決まります。今夜だけの時間がほしいなら、届け出をした店を選ぶのが確実です。同じ相手と、お互いの気持ちを確かめながら続く関係がほしいなら、セフレという形が合っています。両方を求める人もいるでしょう。ただ、セフレの相手に、風俗と同じ気軽さを求めると、関係はうまくいきません。相手は、店で働く人ではなく、一人の人だからです。
お金で買う時間ではなく、続く関係を探したい人へ
同じ相手と、予定を合わせながら会い続ける関係を作るには、まず話の合う相手と出会うところから始まります。リピアイとスグラブは、LINEの友だち追加から登録し、身分証で年齢の確認を受けてから、相手とやりとりを始めるサービスです。相手のプロフィールを見るのも、届いた文章を読むのも無料で、文章や画像を送るとき、届いた画像を開くときに30PTを使います。新規登録で130PT(1,300円分)が無料でつくので、最初の何通かで、相手がどんな関係を望んでいるのかを確かめられます。
よくある質問
セフレに、お金を渡してもいいの?
食事代やホテル代を出すことは、ふつうのデートと変わりません。問題になるのは、体の関係の見返りとしてお金を渡す場合です。そうした関係は、セフレというより「割り切り」や「パパ活」に近いものになり、相手が複数の人と同じ関係を持っていれば、売春防止法の定義に近づいていきます。お金が関係の中心にならないように、気をつけておきましょう。
風俗で知り合った人と、セフレになれる?
店の外で個人的に会うことを、店の決まりで禁じているところがあります。相手は仕事として客に接しているので、店の外での関係を持ちかけると、相手を困らせることになります。セフレの相手は、出会いのサービスなど、お互いに個人として出会える場で探すのが筋です。
出会いのサービスで「お金で会える」と誘われたら?
相手にしないのがいちばんです。売春防止法の第5条は、広告などで人を売春の相手方になるように誘うことを罰しています。また、セフレポで規約を読んだ出会いのサービスの中にも、会員どうしの金銭のやりとりを禁止事項に挙げているところがありました。お金を条件に会おうと持ちかけてくる相手は、規約にも法律にも反する誘いをしていることになります。返事をせず、サービスの通報の機能で知らせておきましょう。
派遣型を呼ぶとき、ホテルの決まりは?
ビジネスホテルやシティホテルの中には、宿泊者以外が客室に入ることを断っているところがあります。派遣型のサービスを使うときも、セフレと会うときも、泊まるホテルの案内や約款で、来客についての決まりを先に確かめておくことが大切です。出張先のホテルでの注意は、出張先での出会い方の記事でも触れています。
既婚者でも、風俗やセフレは問題にならない?
配偶者のいる人が、配偶者以外と体の関係を持つと、民法の上で「不貞行為」として、配偶者から慰謝料を求められたり、離婚の理由とされたりすることがあります。風俗の利用がこれにあたるかどうかは、事情によって判断が分かれます。セフレの場合は、関係が続くぶん、知られたときの影響は大きくなります。既婚者どうしの関係で起きることは、W不倫のリスクの記事にまとめています。
風俗とセフレは、どちらも大人が自分で選ぶものです。法律の線、お金の流れ、相手との関係、健康、知られたときの影響。この記事で見てきたことを一つずつ照らし合わせて、自分が今ほしいのはどちらなのかを決めてください。どちらを選ぶにしても、相手を一人の人として扱うことだけは、変わりません。


