ヤリモクと呼ばれる男・信頼される男|体の関係が目的でも、相手に誠実でいるために(内閣府調査の数字から)

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「ヤリモク」で検索すると、上位に並ぶのは、ほとんどが女性に向けた記事です。「ヤリモク男の見分け方」「体目的の男の特徴」「騙されないために」。婚活の相談所や恋活アプリのQ&Aのページまでが、この言葉の見分け方を説明しています。ヤリモクという言葉は、多くの場合、女性が身を守るために使う警戒の言葉です。

この記事は、その反対側、つまり体の関係を求めている男性に向けて書いています。体の関係を望むこと自体は、悪いことではありません。大人どうしが同じ目的を持ち、互いに納得して会うなら、それは誰かに責められることではない。問題になるのは、目的を隠すこと、目的の合わない場所で相手を探すこと、そして相手の気持ちより自分の目的を優先することです。ヤリモクと呼ばれて警戒される男性と、体の関係を前提にしながら相手に信頼される男性の違いを、国の調査の数字をもとに整理します。

「ヤリモク」は、どこで使われている言葉か

検索結果に並ぶ記事を見ると、ヤリモクという言葉が出てくる場面には、はっきりした傾向があります。婚活や恋活のアプリ、結婚相談所、真剣な交際を前提にした出会いの場です。そこでは、利用者の多くが恋人や結婚相手を探しています。その中に、体の関係だけを目的にした人が、目的を隠して紛れ込む。女性が警戒しているのは、まさにこの状況です。

つまり、女性がヤリモクと呼んで嫌がっているのは、体の関係を求めること一般ではなく、恋人を探している人の中で、目的を偽って近づいてくる人です。恋人を探している相手に、交際をにおわせて会い、体の関係のあとで連絡を絶つ。これは相手の時間と気持ちを裏切る行為で、警戒されて当然です。一度でもこうした経験をした人は、次の出会いでも、相手が変わっても同じことを疑うようになります。

反対に、最初から大人の関係を前提にした場では、体の関係を求めることは、隠すべき目的ではありません。そこでは、お互いに同じ目的を持っていることが出発点になります。ヤリモクと呼ばれるかどうかは、何を求めているかより、どこで、どう求めているかで決まるということです。

数字で見る、相手が警戒している理由

女性がなぜここまで警戒するのかは、国の調査の数字を見ると分かります。内閣府の男女共同参画局が3年ごとに行っている「男女間における暴力に関する調査」の令和5年度の結果によると、交際相手がいた(いる)人2,112人のうち、当時の交際相手から身体的な暴行、心理的な攻撃、経済的な圧迫、性的な強要のいずれかを受けたことがある人は18.0%でした。女性に限ると22.7%、男性は12.0%です。

同じ調査で、同意のないまま性交等をされた経験がある人は、全体の4.7%でした。女性では8.1%、つまりおよそ12人に1人です。女性の30代では11.7%、40代では10.6%と、1割を超えています。被害を受けた140人に、加害者との関係を聞くと、もっとも多かったのは交際相手と元交際相手で、それぞれ16.4%でした。SNSなどインターネット上で知り合った人という答えも、11人から挙がっています。

そして、被害を受けた人のうち、誰にも相談しなかった人が55.7%いました。被害の多くは、表に出てこないということです。出会いの場で女性が慎重になるのは、こうした経験が、身近な誰かに、あるいは自分自身に起きているからです。ヤリモクという言葉の裏には、この数字があります。

被害のあと、生活がどう変わるか

同じ調査は、交際相手から何らかの被害を受けた381人に、その被害で生活がどう変わったかも聞いています。何らかの変化があったと答えた人は58.0%で、女性では61.1%、男性でも50.5%でした。いちばん多かった答えは「自分に自信がなくなった」で27.0%。次いで「夜、眠れなくなった」と「心身に不調をきたした」がそれぞれ15.0%、「生きているのが嫌になった・死にたくなった」が11.8%、「誰のことも信じられなくなった」が11.5%と続きます。

「異性と会うのが怖くなった」という人や、携帯の電話番号やメールアドレス、SNSのアカウントを削除したり変えたりした人もいました。出会いの場で慎重になっている女性の中には、こうした経験をした本人や、身近な人の経験を知っている人が少なからずいる、ということです。こちらが何気なく送った一言を、相手が過去の経験と重ねて受け取ることもあります。

年代で見ると、30代と40代の女性に多い

同意のない性交等をされた経験がある人の割合を、年代ごとに見ると、18〜19歳は1.9%、20代は3.5%、30代は6.5%、40代は6.1%、50歳以上は3.3%でした。女性に限ると、20代で6.4%、30代で11.7%、40代で10.6%、50歳以上で5.6%です。男性も被害と無縁ではなく、全体では0.7%の人が経験があると答えています。

体の関係を前提にした出会いでは、30代や40代の女性と知り合うことが多くなります。その年代の女性の1割ほどが、こうした経験を持っている。そう考えると、最初のやりとりで相手が慎重なのは、こちらを疑っているからではなく、当然の自衛だと分かります。慎重な相手を急かさないことが、信頼される近道です。相手が会う前にいくつも質問をしてきたら、それは警戒ではなく、会うための準備だと考えてください。一つずつ丁寧に答えていけば、相手は安心して会う日を決められます。質問に答えるのを面倒がる様子を見せると、それだけで相手は離れていきます。

被害を受けた人が相談した先は、友人や知人が29.3%、家族や親戚が10.0%で、警察に連絡・相談した人は1.4%にとどまりました。表に出る被害は、ほんの一部だということも、知っておきたい数字です。

国の調査が「性的な強要」と呼んでいる行為

この調査では、交際相手からの「性的な強要」を、次のような行為として質問しています。体の関係を前提にした相手とのあいだでも、一つでも当てはまれば、相手にとっては被害になりえる行為です。

嫌がっているのに迫る相手が嫌がっているのに、性的な行為を求め続ける。「ここまで来たのに」という言い方も含まれる。
見たくないものを見せる相手が望んでいないのに、性的な映像や画像を見せる。
同意のない撮影相手が同意していないのに、性的な画像や動画を撮る。
避妊に協力しない避妊を求められても応じない、途中でやめる。

どれも、「体の関係が目的だから」という理由で許されるものではありません。同じ目的で会った相手であっても、その日、その場で何を望むかは、相手が決めることです。会う約束をしたことは、すべてに同意したことを意味しません。撮影については写真と動画の記事に、避妊については避妊とアフターピルの記事に、それぞれ詳しくまとめています。

目的を隠す男と、目的を伝える男

ヤリモクと呼ばれて嫌われる男性に共通するのは、目的を隠していることです。プロフィールには「真剣な出会いを探しています」と書き、やりとりでは将来の話をにおわせる。会った日に体の関係を求め、そのあとは連絡が途切れる。相手が怒るのは、体の関係を持ったことではなく、だまされたことに対してです。

反対に、大人の関係を求めていることを、最初から言葉にしている男性は、相手を選ぶ自由を相手に渡しています。同じ目的の人だけが返事をくれるので、会ったあとに気まずくなることがありません。返事の数は減るかもしれませんが、返事をくれた相手との関係は、ずっと穏やかに進みます。

目的の伝え方には、いくつかの気づかいがあります。露骨な言葉で書くと、相手を不快にさせるだけでなく、サービスによっては規約の禁止事項にあたります。「恋人ではなく、気の合う大人どうしの関係を探しています」「お互いの生活を大切にしながら、ときどき会える相手がいいです」のように、関係の形を落ち着いた言葉で伝えれば十分です。体の関係を前提にしていることは、それで相手に伝わります。

プロフィールで、最初に安心してもらう

相手が最初に目にするのは、プロフィールです。写真は、顔がはっきり分からなくても、清潔感のある服装と明るい場所で撮ったものを選びます。体の一部を強調した写真や、ホテルの部屋で撮った写真は、それだけで警戒されます。自己紹介には、仕事の大まかな種類、休みの曜日、会える地域、そして求めている関係の形を、落ち着いた言葉で書いておきます。

相手がプロフィールを読んで知りたいのは、この人と会って大丈夫か、ということです。目的がはっきり書かれていて、生活の様子が少し見える。それだけで、相手が返事をするかどうかの判断はぐっと楽になります。返事をくれた相手は、こちらの目的を読んだうえで返事をくれた人なので、そこから先の話も進めやすくなります。

会うまでのやりとりで、相手が見ていること

目的を伝えたあとも、相手はやりとりの中で、こちらを見ています。返事が早すぎて会うことだけを急いでいないか。自分の話ばかりで、こちらの都合を聞いてくれているか。会う場所を一方的に決めていないか。体の関係を前提にしていても、相手はその前に、安心して会える人かどうかを確かめています。

会う場所を決めるときは、最初は人目のある場所で待ち合わせることを提案し、相手が選べる候補を出すのが基本です。いきなり家やホテルを指定するのは、相手に選ぶ余地を与えないことになり、警戒される一番の理由になります。最初に会う日は顔を合わせて話すだけ、という選択肢を残しておくことで、相手は安心して会いに来られます。

ヤリモクと見られやすいやりとり

大人の関係を前提にした場でも、やりとりの進め方によっては、相手に「この人は危ない」と思われてしまいます。体の関係が目的であること自体ではなく、相手への扱い方が雑だと感じさせるやりとりが、警戒の原因になります。

一つは、最初の数通で会う日時や場所の話を急ぐことです。相手は、会う前にこちらの人柄を知りたいと思っています。仕事の話や休日の過ごし方など、相手が答えやすいことを聞き、自分のことも少し話す。数往復のやりとりで相手が安心してから、会う話に進むほうが、結果的に早く会えることが多いものです。

二つ目は、相手の写真や体のことばかりを話題にすることです。体の関係を前提にしていても、最初から体の話ばかりされると、相手は自分が人として見られていないと感じます。相手の書いたプロフィールの内容に触れて、そこから話を広げるほうが、相手は返事をしやすくなります。

三つ目は、すぐに別の連絡手段に移ろうとすることです。相手からすれば、サービスの外に出ることは、運営の目が届かない場所に移ることを意味します。連絡先の交換は、会って信頼ができてから、相手の意向を聞いて決めるくらいでちょうどいいのです。

四つ目は、断られたり返事が遅れたりしたときに、責めるような言葉を送ることです。「なんで返事くれないの」「会うって言ったよね」。こうした一言は、相手がこれまで見てきたヤリモクの特徴そのものです。返事が来なければ、それが相手の答えだと受け取って、次へ進むのが大人のふるまいです。

相手の「やめたい」を、そのまま受け取る

体の関係を前提に会った相手でも、その日になって気持ちが変わることはあります。会ってみて違うと感じた、体調が悪い、気分ではない。理由は何であれ、相手が「今日はやめておきたい」と言ったら、その言葉をそのまま受け取ることが、信頼される男性の最低条件です。

刑法は、同意しない意思を形成し、表明し、貫くことが難しい状態にさせたり、その状態にあることに乗じたりして性交等をすることを、不同意性交等の罪としています。お酒に酔っている、眠っている、断ると不利益があると心配している、といった状態も、その中に入ります。会う約束をしていたこと、ホテルまで来たことは、同意の代わりにはなりません。断られたときに不機嫌になったり、説得を続けたりすれば、それ自体が、内閣府の調査が「性的な強要」と呼ぶ行為に近づいていきます。

断られたあとの振る舞いは、相手の記憶にいちばん強く残ります。「分かった、また気が向いたら連絡して」と言える男性には、次の機会が来ることもあります。体の関係が目的であるほど、相手の「やめたい」を尊重できるかどうかが、関係が続くかどうかを分けます。

関係が続くことになったら、そこから先の付き合い方も大切です。会う頻度や連絡の取り方、健康のことをどう取り決めるかは長続きする関係の記事に、関係を終えるときのことは終わらせ方の記事にまとめています。始め方を誠実にすることは、終わり方を穏やかにすることにもつながります。

同じ目的の人がいる場所を選ぶ

ヤリモクと呼ばれないためのいちばん確実な方法は、恋人や結婚相手を探す人が集まる場所で、体の関係を探さないことです。婚活や恋活のアプリで目的を隠して相手を探せば、相手を傷つけるだけでなく、サービスの規約に反して利用を止められることもあります。最初から大人の関係を前提にした場所を選べば、目的を隠す必要そのものがなくなります。

そのうえで確かめたいのは、相手が18歳以上であることを、運営が確かめているかどうかです。出会い系サイト規制法にもとづいて届け出ているサービスは、利用者が18歳未満でないことを確かめる義務を負っています。年齢の確かめられない場所で体の関係を前提にやりとりを始めるのは、相手にとっても自分にとっても大きな危険です。

「ヤリモク アプリ」と検索する前に

「ヤリモク アプリ」と検索すると、体の関係が目的の人向けに、おすすめのアプリを並べた記事も出てきます。けれど、どのアプリが向いているかを決めるのは、記事の順位ではなく、そのサービスが何を目的にした場だと自分で説明しているかです。恋人探しや結婚を前面に出しているサービスで、体の関係だけを探すのは、まさにヤリモクと呼ばれる使い方になります。

大人の関係を前提にしたサービスを選ぶときは、運営会社の名前、インターネット異性紹介事業の受理番号、年齢確認の方法が、公式サイトや特定商取引法の表記に書かれているかを確かめてください。こうした表示がそろっているサービスは、少なくとも法律の上で必要な手続きを踏んでいる目安になります。ワンナイトの相手を探す場合の場の選び方は、ワンナイトアプリの記事でも整理しています。

既婚であることも、隠さない

目的と同じくらい、隠してはいけないのが、自分が結婚しているかどうかです。独身だと偽って体の関係を持ち、あとで既婚だと分かれば、相手は二重にだまされたと感じます。相手が独身で、将来の関係を少しでも考えていた場合、その傷はより深くなります。既婚であることを伝えたうえで、それでも会いたいと言ってくれる相手とだけ関係を持つ。それが、相手の選ぶ自由を守る唯一の方法です。家族や職場に知られないための注意は既婚者の身バレ対策にまとめています。

会ったあとの連絡で、印象は決まる

ヤリモクという言葉には、「体の関係のあとで連絡を絶つ人」という意味も含まれています。一度きりの関係のつもりだったとしても、会ったあとに一言の連絡もなく消えるのは、相手に「使われた」と感じさせる一番の理由です。会った日の夜か翌日に、「今日はありがとう、気をつけて帰ってね」と一言送るだけで、相手の受け取り方は大きく変わります。

次に会うつもりがないなら、それもはっきり伝えたほうが、相手は気持ちを切り替えられます。返事を曖昧にしたまま既読のまま放っておくより、「楽しかったけれど、続けるのは難しそう」と伝えるほうが、ずっと誠実です。始め方と同じくらい、終わり方にも相手への敬意が表れます。きちんと区切りをつけてくれた相手のことを、悪く言う人はほとんどいません。それは、次に誰かと出会うときの自分の評判を守ることにもなります。

大人の関係を前提にした場で、目的を隠さずに始める

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会う前に、自分に聞いておく三つのこと

目的を、相手が分かる言葉で伝えたか。相手は、それを知ったうえで会うと決めたか。
相手が当日「やめたい」と言ったとき、笑ってそれを受け取れるか。
撮影、避妊、会ったあとの連絡について、相手の望むことを先に聞いたか。

この三つにためらわずに答えられるなら、体の関係を求めることは、誰かを傷つけることにはなりません。ヤリモクと呼ばれる男性と、信頼される男性を分けるのは、求めているものの違いではなく、相手をどう扱うかの違いです。体の関係を求める気持ちに正直であることと、相手に誠実であることは、両立します。その両方を持っている男性は、ヤリモクと呼ばれることはありません。